■企画の最終決定権を持つのは社員の子供たち
最初に松沢さんらは、男の子と女の子がそれぞれ好きなものをリストアップしたという。男の子は「飛ぶ」「走る」「戦う」などのキーワードが上がった。それらのキーワードに加え、「来店するほかの利用者の迷惑にならないもの」という飲食店ならではの要素も加味したうえで、外部のデザイナーからアイデアを募った。
毎回、男女それぞれ8~12案ほどのアイデアが集まり、その中からアンケートを取って人気のあるものを商品化する。アンケートに答えるのは、社員の子供たち。そう、最終的な決定権は子供に委ねられているのだ。
最初に商品化した男の子向けのカプセルトイは『快速変形 メガライナー』。電車からロボットに変形するロボットで、全3種類が揃う。これはかなりわかりやすいおもちゃなので子供もが喜ぶのも理解できるが、大人からすれば意外なおもちゃが選ばれることもあるそうだ。
記念すべき第1弾。男の子が大好きな鉄道玩具に、変形&合体の要素をプラス!
それが、ミニカーとしてダッシュ走行して遊べる「カーモード」と、ゲームのコントローラー型でタイヤを発射して的を撃つ「コントローラーモード」を兼ね備えた『スーパーコントローラーカー』である。大人から見れば、要素を盛り込み過ぎているように見えるこのカプセルトイは、男児の人気が集中したという。「自分たちはこういうものが人気だろうと思っても、子供たちはまったく別のものを選んでくることもあります」と、パパでもある斎藤さんは話しており、商品化しないままのおもちゃも多いのだとか。
走るだけでなく、ひっくり返すとタイヤ部分を射出して的に当てるコントローラーとしても遊べる。
ファミレスのテーブル上で遊ぶことを考えて、発射するものの飛距離が短かったり、ヒモを付けて遠くまで飛ばないようにしたりといった工夫が施されているのは、ファミレス発のカプセルトイならでは。あくまでも、子どもたちが遊んでいる間は、親がゆっくり食事できるよう気を配られているのだ。「だって、おもちゃのミサイルが隣のテーブルまで飛んで、ラーメンに『ぽちゃん』と落ちたら、せっかくの楽しいお食事が台無しになってしまいますから」と松澤さん。