夏はもちろん、最近では1年を通じて足の「蒸れ」に苦しむ人は多い。特に男性のビジネス靴は、湿気がたまりやすいつくりになっており、においも気になるところ。エステーが以前、同社の運営するサイト「空気チャンネル」で、ビジネス靴の中の「温度」と「湿度」の1日の動きを計測した結果、1日の最高湿度は99.49%を記録し、高温多湿な靴の環境が明らかになった。同社の高岳留美・研究員は、ビジネス靴の湿気対策について以下のようにアドバイスする。
そもそも男性のビジネス靴は、履き口が狭いので、靴の中の空気が入れ替わりにくく蒸れやすい。実は、湿度という点においては、女性用のパンプスよりもずっと劣悪な環境だ。足の裏やつま先は、体の中でも汗をかきやすく、1日に両足でコップ1杯分(約200mL)もの汗をかくと言われている。通気性の悪いビジネス靴の場合、吸収した水分が翌朝も残っていることがある。靴は連続で履かずに、1日おきに履くなどして、しっかり乾燥させることが大切だ。
■においの原因は繁殖した細菌。オフィスでは靴を履き替えよう
1日靴を履いていると、足が蒸れて不快に感じたり、においが気になるという人は多いと思われる。靴を履いている間、靴の中は高温多湿のいわば“お風呂場”のような環境なのだ。ただでさえ蒸れやすい上に、外気温が高い夏は、空気中に含まれる水分量が多くなるため、より湿気を強く感じやすくなる。
また、高温多湿の靴の中は、細菌が繁殖するのに絶好の環境。細菌が繁殖するとにおいの原因になるので、嫌なにおいを防ぐためには、湿気や温度を下げて細菌を増やさないようにすることがポイントになる。オフィスにいる間は、できるだけ通気性のよいサンダルなどの靴に履き替えて、ビジネス靴の湿気をとばすようにしたい。
■丸めた新聞紙や靴用の除湿剤を活用しよう
脱いだ靴には、くしゃくしゃと丸めた新聞紙を靴の中に入れておくと、湿気とりに効果的だが、オフィスではちょっと恥ずかしい。そんな時には靴専用の除湿剤がおすすめ。ニオイも除去する備長炭配合の除湿剤を使えば、除湿と消臭が同時に行えるので効率的だ。現在、除湿剤に備長炭と活性炭を配合し、革靴などの内側の湿気をとり、足ムレ臭や靴内のイヤなニオイを脱臭するタイプや、1日はいた靴の中に入れるだけで朝までに靴の中のジメジメ・ニオイを除去するタイプなどが市販されているので、上手に活用してみよう。