小麦に含まれるたんぱく質「グルテン」。近年、日本でも「グルテンフリーダイエット」などが注目され、グルテンそのものが注視されている節もある。しかし、実際、グルテンとは何なのか、いまいち分かっていないところもある。そこで、グルテンとは何を指すのか、そして、その健康効果、そして小麦を抜く食生活について、医師に正しい見解を聞いてみた。
■「グルテン」って何?どんな食品に含まれる?
グルテンとは、小麦に含まれる「たんぱく質」が二種結びついてできるものである。小麦には、数種類のたんぱく質を含んでいるが、グルテンはその一部。しかし、このグルテンが健康障害を起こすことがあるため、グルテンの入った小麦製品を徹底的に摂らない「グルテンフリー」を実践する人がいる。
パンやパスタなどのほか、麦を製造過程で使用する醤油、麦みそ、麦芽飴、ビール、麦茶なども対象となる。
また、小麦は、ラーメンやお好み焼き、餃子はもちろん、ハンバーグのつなぎやカレーやシチューのルー、唐揚げや天ぷらの衣などにも含まれるため、これらも避ける必要がある。
■「グルテン」によって生じる疾患とは?
自然派医師の本間真二郎先生によれば、グルテンによって健康障害を起こす疾患には数種類あるという。
「グルテンに対して健康障害を起こす病気には、『セリアック病』や『グルテン不耐症」』などがあります。また、小麦のタンパク質に反応する、食品アレルギーとして『小麦アレルギー』もあります。
しかし、小麦によって起きる症状には個人差がありますし、これらの症状を起こす人の割合は、それほど多いわけではありません。すべての人が、グルテンフリーで健康になるからやるべき、というものではないことは理解しておきたいところです」