◆植物の力と機能性を最大化できるSNP技術を合わせることで実現できた製品
同社では筑波大学 生命環境系の磯田 博子教授と共同研究を行っており、南米ペルーの国有種であるタラタンニン(植物名:カエサルピニアスピノサ)というマメ科の植物のさやのエキスの成分に、メラニンの産生促進と発毛作用があることがわかった。こちらの研究成果については今年10月にカナダのモントリオールで開催された「ポリフェノールと健康国際会議 ICPH2017」で発表され、現在は国際ジャーナルへの投稿を進めている段階だという。
「紫外線を吸収して皮膚の損傷を防ぐ役割があるメラニン色素は、メラノソームという機能により表皮に移行するため、シミ、そばかすの原因になるという悪いイメージがあるが、毛根細胞にもメラノサイト(メラニン生成細胞)は分布している。毛が生える、毛が黒くなるという2つの働きをしており、白髪はメラニンを作れない状態のこと。実は黒髪を作るのはとても大変な機能であるといえる」(磯田教授)
共同研究では3つの細胞を使ってメラニン産生、分子メカニズムの解析を行い、メラニンを合成する、その色素を移行させる、毛乳頭細胞の活性化によって発毛を促進させることが、タラタンニンにはあると解明された。
スーナ バイオショットには共同研究で発見されたタラタンニン(下記画像)のほか、タンニン酸(ヌルデ:植物名以下同)、ユッカサポニン(ユッカシシゲラ)、ホルスコリン(コレウスホルスコリ)、キラヤサポニン(キラヤ)の5つの植物成分を採用している。
「富士フイルムでは化学合成でさまざまな薬品を作ってきたが、やはり自然の力には勝てないと思いがあり、自然の潜在力を活用していく植物へのこだわりがあった。タラタンニンとタンニン酸はとてもよく似た構造で、2つを組み合わせるとさらなる効果があると考えた。また、水に溶けにくい植物成分を水に溶かすために、せっけんのような界面活性を持ったものが必要になるが、現地では“シャボンの木”と呼ばれる植物由来のキラヤサポニンを採用。これらの植物は化粧品用途としては有名ではないが、普段食べている食事の中にも含まれるものであり、安全面でも保障されている。皮膚刺激性、皮膚感作性、目刺激性、発がん性、急性毒性の安全性データもすべてクリアしている」(小島常務)