■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆元富士フイルムのメンバーによるベンチャー企業が研究開発した染めない白髪ケア
年を重ねるにつれ増える白髪。面倒だと思いながらも定期的に染めているという人も多いが、刺激の強いヘアカラー剤は髪や頭皮へのダメージが気になる。10月20日に発売される、染めない白髪ケア「SUNA BIOSHOT(スーナ バイオショット)」は、白髪に悩む人にとって画期的となる商品かもしれない。植物成分のタラタンニンが髪を黒くするメラニン生成細胞に働きかけ、使い続けることで頭皮を健康的に整え、染めずに白髪をケアして、黒髪へと導くというもの。
同製品を開発、製造販売する「NIL(エヌアイエル)」は2015年に設立されたベンチャー企業。創業メンバーの佐藤 幸蔵代表取締役社長、佐藤 忠久専務取締役、小島 哲郎常務取締役の3人は富士フイルムの出身で、40年以上にわたり有機化学を研究してきた実績がある。
富士フイルムで培った技術、経験を活かして、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成26年度 研究開発型ベンチャー支援事業プロジェクト」に応募。30倍の競争率の中から提案が採択されたのを機に創業した。
「しがらみのない研究開発がやりたいと元富士フイルムのメンバー3人が創業した。弊社の中心となるのが有機化学とSNP(スーパーナノ粒子)技術をフュージョンさせたヘルスケア領域で、中でもアンチエイジング分野で革新的なオンリーワンの技術開発を目指している。
髪を染める技術はカラー写真の技術ととても良く似ており、富士フイルム時代も大手メーカーから安全なヘアケア製品の開発を打診され13年間研究をしていた。髪や頭皮にダメージを与えない白髪対策の商品、できれば毛を染めずに自分の力で黒髪になる技術を作りたいという思いを持ち続けてきた」(佐藤社長)
佐藤社長は1949年(昭和24年)生まれ。以前の写真を拝見すると全体が真っ白の白髪だったが、スーナ バイオショット開発中から自らがモニターとなって実証テストを行った結果、使い始めてから3か月で黒髪が出てくるようになり、現在は黒髪も混じった状態になっている。