冬といえば“こたつ”。
古来、室町時代にその起源を見出せるこたつは、日本人の冬の生活に欠かせないものとなっています。
見るだけで冬を感じ、肩まですっぽりこたつの布団で覆った時のぬくもりは、なかなか病みつきになるものではないでしょうか。
日本の冬の風景にすっかり馴染んだ“こたつ”、海外からやって来る外国の方も“こたつ”に魅せられ、母国で再現してみるなんてことも行なわれていると聞きます。
しかし、日本のトイレの友ウォシュレットと同様に、魅力的だけど一大ブームを巻き起こすには至らない、そんな運命を“こたつ”も辿っているようです。
なぜでしょう?
今回はヨーロッパを例に、“こたつ”の浸透しないいくつかの単純な理由を考えて、海外でこたつブームを巻き起こすための提案も考察してみましょう。
■こたつの浸透しない理由1:地べたに座らない
あまりに単純ですが、“こたつ”の浸透しない根本的な原因は「地べたに座る」習慣がないことにあるのかもしれません。
一部地域を除いて、家の中で靴を脱ぐ習慣のないヨーロッパ各国では、当然「地べたに座る」という習慣も根付いていません。(ちなみに、屋内で靴を脱ぐ習慣のある中東のイランでは、こたつに似た“コルシ”という暖房器具が日常的に使われています)
「床に腰をおろして足を入れる」という“こたつ”の基本構造上、椅子に座っても利用できるという構造に作り替えない限りは、広く利用されることはないでしょう。