あと2か月も経たぬうちに、今年も忘年会シーズンがやってくる。すでに、予定が入り始めている方もいるのではないだろうか。お世話になった人たちと楽しく夜更けまで無礼講。しかし、つきまとうのが『二日酔い』……。楽しくお酒はたくさん飲みたいもの。「なんとか二日酔いを回避する方法はないものか…」「年末は毎晩夫がグデングデンになって帰宅して迷惑!」そんな悩めるビジネスマンや主婦に贈る、「二日酔い対策 最新事情」をお届けしよう。
■そもそも「酔う」とは?
アルコールをたくさん摂取して、胃と腸から吸収され血中アルコール濃度が上がると、脳がぼんやりと麻痺状態に陥ったり、いつもなら働いていた抑制機能のタガが外れ、浮かれたり、怒ったり、泣き出したりと感情的になってしまう。ついつい飲みすぎてしまうことも多いお酒だが、お酒を飲んで脳の中で最初に酔うのが「理性を統括する」前頭葉。前頭葉が酔ってしまったら、「今日は少しにしておこう」「食べながら飲もう」「カロリーの低いつまみをオーダーしよう」といった自制心が薄れてしまうのだ。何より適量、だが、いざというときの対処策をせめても講じて、少しでも楽に過ごしたいもの。
■二日酔いのメカニズム
二日酔いになる原因は複雑に絡みあっている。例えば、日本酒に多く含まれるアデノシンという物質が頭痛の原因になったり、胃酸過多や脱水が原因で吐き気や食欲不振に陥ったりすることもある。また、有名なのがアルコール分解で発生するアセトアルデヒド。飲むアルコール量に肝臓の処理能力が追いつかないと、体内にアセトアルデヒドがたまり、頭痛、だるさ、吐き気などの原因になってしまうのだ。飲むとすぐに顔や体が真っ赤になる人はアセトアルデヒド脱水素酵素が弱いか、持っていない人である。このような人はお酒を飲むとその後、長い時間体内に高濃度のアセトアルデヒドが残るので、特に要注意。
アセトアルデヒドの代謝酵素であるアセトアルデヒド脱水素酵素は、人種あるいは個人の遺伝的体質によりその代謝能力に差がある。日本人などのモンゴロイドのほぼ半数はアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い「低活性型」か、全く働かない「失活型」、そのためモンゴロイドには酒に弱く二日酔いになりやすいタイプが多く、全くお酒を飲めないタイプ(いわゆる「下戸」)も存在する。それに対しコーカソイド・ネグロイドはこの酵素がよく働く「活性型」であり、お酒に強く二日酔いにもなりにくい体質の人が多いそう。なお人類のアセトアルデヒド脱水素酵素のタイプは元々「活性型」が基本タイプであり、「低活性型」及び「失活型」は突然変異によって生まれた。筑波大学の原田勝二氏研究によると、日本においては九州地方と東北地方に「酒豪遺伝子」が多い(すなわち二日酔いになりにくい「活性型」が多い)という結果を示したそうだ。
■ところで、どんな二日酔い対策をしているのだろう?