■コーヒーでスーッと眠りにつくためのテクニック3つ
コーヒーの香りは、選び方によっては眠りやすい効果が得られることがわかった。では、実際の場面で、コーヒーをどのように取り入れる方法があるだろうか。そのヒントを紹介しよう。
●コーヒーのアロマポットをつくり、寝室に置いておく
マグカップくらいの大きさのコップに、コーヒー豆を満たせば、手作りのアロマポットが完成する。コーヒー豆の香りは強いため、眠りにつくときには枕元から離して、寝室のどこかに置いておくのがいい。
このアロマポットは、9月3日の睡眠の日にちなみ、ネスカフェ原宿で実施された、ネスレ日本主催の期間限定「カフェインレスタイム」のサービスで提供されたものだ。筆者も参加してかいでみたが、コーヒー豆の香りが程よく漂い、見た目も良いのでちょっとしたインテリアとしても使えるのではないかと感じた。
●コーヒーを淹れるプロセスを「入眠儀式」にする
コーヒーにはカフェインが含まれているため、寝る前に飲むと覚醒してしまう。よって、淹れて飲まずに香りだけを楽しみ、リラックス効果を得るのもおすすめだ。
古賀先生は、これを「入眠儀式」として習慣づけるのもいいと勧める。入眠儀式とは、毎晩寝る前に同じことをやることによって、それが眠りに入るための“条件付け”になり、自然と眠りに誘われるというものだ。一般的には、パジャマに着替える、歯を磨くなどの行動がそれに当たる。コーヒーの香りを楽しみながら淹れる一連のプロセスを、ぜひ入眠儀式にしてみよう。
ちなみに古賀先生によれば、最も眠りやすいコーヒーの香りは、コーヒーを淹れて、しばらくたってある程度、香りが和らいだ後だという。
●カフェインレスコーヒーを、香りを楽しみながら飲む
カフェインを90%以上カットしたカフェインレスコーヒーなら、飲んでもカフェインによる覚醒作用はほぼないといっていい。古賀先生によれば、カフェインレスコーヒーでも、カフェイン入りコーヒーと同じように、リラックス効果が得られると考えてよいという。カフェインレスコーヒーは、カフェイン入りのコーヒーと味はほぼ変わらないともいわれているため、コーヒー好きにも無理なく飲めるだろう。
香りは、個人差も大きいが、気分によっても感じ方は左右される、と古賀先生。その日の気分によって、「今日は、この香りながら眠れそうだな」と感覚で選びながら、コーヒーやカフェインレスコーヒーを淹れてみるのもいいだろう。
この秋は、コーヒーで長い夜を乗り切ってみてはいかがだろうか。
取材協力/古賀良彦(こが・よしひこ)名誉教授
杏林大学名誉教授。1946年東京生まれ。71年慶應義塾大学医学部卒業。76年杏林大学医学部に転じ、助教授、主任教授などを経て現職。日本ブレインヘルス協会理事長、日本催眠学会名誉理事長なども務める。
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。