■美容院の未来は
店舗は減少傾向にあるものの、美容師国家試験合格者数の推移を見ると、従業美容師数と免許登録者数累計は増加している。人口減少なども考えあわせると過当競争気味で、美容院は生き残りをかけてさまざまな工夫を凝らし始めている。そのひとつが男性専用美容院。これまでは男性は理容室へ、女性は美容院へと住み分けがあったが、今や男性でも美容院に行くことに抵抗がなくなってきている。一般に、カット、パーマ、カラーなど複数のメニューを同時に行なう女性より男性の方が、単価が安いと思われがちだが、一度気に入るとお店を変えない、行きつけのお店に何度も通う男性に比べて、女性はクーポンや口コミで新しい美容院に行くことに抵抗がないため、美容院を渡り歩く傾向にある。年間のトータルでみると、短時間で回転率が上がるうえに何度も利用してくれる男性の固定客をつかむことで、経営が安定するそうである。
<図3>「理容師と美容師の推移」
海外からの旅行客も、最近は興味・関心が「モノ」から「コト」へと変化している。日本人特有の細やかさや美意識は海外からも評価が高く、そこに技術が加わることで、美容院でのサービスは「日本で体験したいコト」のひとつになっている。これからの美容院は男性客や外国人など新たな顧客を取り入れながら、また、新たなメニューを加えながら進化しつづける模様。時代の先端を走る業界だけに、どんなサービスが生まれるかが楽しみである。
文/編集部