■脂の少ないさんまがおいしさのポイント
前述のように、脂ののったさんまはこの寿司に適さない。だから旬の丸々と太ったものより、やせたさっぱりしたものを選んで使っている。もちろん昔は白浜にあがったさんまを使っていたが、現在は12〜2月くらいにしか揚がらないので、他県産の脂の少ないものを中心に仕入れ郷土の味を守っているという。
肝心のお味はというと、驚くほどサッパリ! 手間暇かけて塩、酢、砂糖で〆てあるうえ、柑橘類や生姜のフルーティ&さっぱり感も効いている。青魚とは思えないほどの食べやすさに驚かされる。あら、美味しい。と食べ進めていくうちに軽く一尾分がなくなるほど。
また、ご覧のように見た目の美しさも格別だ。まばゆいばかりの銀色。そこにのせられた黄金色の生姜。口に近づけるとほのかに香る柑橘。芸術品のような仕上がりだ。
■予約必須だが、土日祝日は限定販売も
下田市では10月1日〜12月20日までの期間を「さんま寿司まつり」と位置づけ、白浜周辺の宿や料理店などで食べる(要予約)ことができる。また、先に紹介したみどり荘では10月〜5月の間は、宿泊客の夕食には必ずさんま寿司が付くうえ、予約による地方発送も受付けているとのこと。常温保存が可能なので、ぜひお試しあれ。
なお、予約なしで手に入れる方法は限られている。可能性があるとしたら、下田市の道の駅にて11月〜5月の土日祝日で限定販売されるもの。今年は1パック500円ほどになる予定だそうだ。運が良ければできたてがゲットできるかも!?
■取材協力:伊豆白浜味覚の温泉宿 みどり荘
http://midoriso.shizuoka.jp/
■さんま寿司に関する情報は
伊豆白浜観光協会 http://izu-shirahama.jp/
下田市観光協会 http://www.shimoda-city.info/
文・写真/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。