250ccクラスのバイク人気が盛り上がっていることは、これまでにも何度か紹介したが、なかでも注目を集めているのが「アドベンチャーツアラー」だ。もともとは大排気量がメインだったこのジャンルが、なぜいま250ccで登場したのか? オススメの理由は? などなど、モデルごとの魅力を交えながら紹介しよう。
■軽くてコンパクト! だから気軽に“旅”を楽しめる
スーパースポーツやネイキッド、さらに150ccスクーターなど、250ccクラスは数年前とはガラッとラインナップを変え、ビギナーからベテランライダーまで、あらゆる層に支持されている。そして、そのなかでも新ジャンルとして注目度を高めているのが「アドベンチャーツアラー」である。
アドベンチャーツアラー自体は、1980年代から存在していた。たとえばBMW・R100GSやホンダ・アフリカツインなどがその元祖といえるモデル。しかし、それらのモデルを見ても分かるように、もともとアドベンチャーツアラーは大排気量がメイン。「アルプスローダー」という別名が示すとおり、アルプス山脈を含むヨーロッパ大陸を快適に、かつ高い走破性で走ることを目的としているため、排気量は大きくなければならなかったのだ。
時代は流れて、現在、その人気は世界的なものとなり、当然日本でもブレイク。BMWやホンダだけでなく、国内各メーカーに加え、KTMやトライアンフといった海外メーカーからも大排気量アドベンチャーツアラーが投入され、いまや一大ジャンルとして、バイク人気を支える一翼となっている。
しかし先述のとおり、アドベンチャーツアラーはそのコンセプトゆえに大排気量がメイン。しかもオフロード性能も併せ持つために、車体は腰高で巨大だ。じつは、この車体の大きさと重さにためらうライダーは少なくないのである。
そこで、「250ccアドベンチャーツアラー」だ。
アドベンチャーツアラーに必須の、ロングツーリングに耐えうる積載性や快適性とオフロードも走れる走破性を併せ持ちながら、250ccのコンパクトさを両立。誰もが気軽に「アルプスローダー」の気分を味わうことができるのだ。ツーリング前の「よし! これからこの巨大なバイクに乗るぞ!」という気負いが必要なく、いつでも走る気にさせてくれるのは、忙しい毎日の合間を見つけてバイクに乗る人にとっては大きな魅力だろう。
250ccという排気量に不満や不安を感じる人がいるかと思うが、実際に大排気量アドベンチャーツアラーが本領を発揮するのは、1日1000km以上を1週間超ぶっ続けで走る「大陸流ツーリング」。しかし、日本でそんなツーリングをするライダーはほとんどいないはず。日本を旅するうえでは、じつは250ccは過不足のない、ちょうどよい排気量なのだ。
現行モデルとしてラインナップされているのは3モデル。上位モデルの廉価版といったチープさはなく、それぞれがディテールやデザインに凝った個性的なものばかりで、十分に所有欲も満たしてくれるはずだ。
これからバイクに最適な季節が訪れる。日本の道に最適な250ccアドベンチャーツアラーで、日本の秋を堪能してみてはいかがだろうか。