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32歳、結婚2年目の男性記者が不妊治療を始めてわかったこと。

2017.08.25

男性にとっての不妊治療。その入り口といえば「精液検査」である。近頃は妊活ブームといわれるのもあり、不妊治療についての話題をたびたび見かける。

しかし、男としてのプライドが働き結果を見ることの不安にかられ、はじめの1歩を踏み出せないという声もある。また、知り合いに聞いた話だが、当初、子作りに悩み奥さんのみが不妊治療を続けていた夫婦がいて、治療から10年後、夫の精子に異常があったと検査によりようやく分かったという事例もある。

出産から妊娠というのは、夫婦の共同作業ともいえる。では、実際の検査はどんなものだろうか。子作りについて考え始めた記者が体験した「精液検査」の一連の流れをレポートしていく。

初めにほんの少し、記者自身のことを述べておきたい。一昨年末に結婚してからというもの、子作りがどうも上手く行かずに妻と話し合っていたという前段があった。悩みに悩む中で、初めて産婦人科を訪れたのが今年7月の初旬だ。

向かったのは、埼玉県内にある某院である。もちろん産婦人科を訪れた経験はなかった。病院によって手続きの流れは異なるというが、今回、検査に向かったところでは予約なしで検査を迎えられた。

受け付けを済ませた後、すぐに女性の看護師さんがやってきた。すでに別の病院で検査を受けていた妻はこの日、問診のみだった。「それでは、旦那さんはこちらへどうぞ」と言われ、1階の待合室から階段を昇って移動した。

結婚から約1年半の男性記者が不妊治療の第1歩「精液検査」を受けてみた

妻といったん別れ、連れて行かれたのは2階にある「検査室」と呼ばれる小部屋である。看護師さんが女性であるということに気恥ずかしさを覚えつつ、淡々と説明は進む。

検査室は広さ約2畳ほどの真っ白な部屋だった。目立つのは黒いどっしりとしたソファと、その目の前に置かれた映像機器の繋がれた20インチほどの小さなテレビである。そして、テレビの奥には壁に30センチ四方の銀色の扉の金庫のような装置が設置されている。

結婚から約1年半の男性記者が不妊治療の第1歩「精液検査」を受けてみた

この装置、じつは最後に「検体」として精子を預けるものである。そもそも検査室に入る前、射精した精子を入れるプラスチック製のケースをもらうのだが、これを預けてから装置の右手にあるスイッチを切り替えるとランプが青くなり、精液検査の行程が完了するという仕組みだ。

上記の説明がものの数分で終わり、さて、いよいよ事へ及ぶことになる。とりあえず設置されたテレビを付けると、CSのアダルトチャンネルがあらかじめ設定されていた。

しかし、いざ1人っきりになると、ふだんとは勝手の違う場所というのもあり悩む。何を悩んだのかといえば、どの作品に決めるかというのはもちろんだが、そもそも自宅ではない場所で事に及ぶというのはなかなか恥ずかしい……。とはいえ、何もやましいことをしているわけではない。検査のためと思い、腹をくくった。

結婚から約1年半の男性記者が不妊治療の第1歩「精液検査」を受けてみた

テレビにはアダルトチャンネルが流れ、その下にある木製のラックには8枚ほどのアダルトDVD、数冊の成人向け雑誌が置かれていた。DVDと雑誌はそれなりに種類が分かれている。性的嗜好は千差万別。あまりにもマニアックでどぎついジャンルこそなかったが、女優モノや素人モノ、熟女モノとそれなりに選べるようにはなっていた。

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