■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝
前に金冷法ジジイの話を書いた。
銭湯の水風呂と熱い湯船の間のヘリに座り、湯船の湯を股間にジョバー、冷たい水を股間にジョバー、湯をジョバー、冷水をジョバー……を延々と繰り返している、いい年こいていまだにエロ願望満載ジイサンの話だ。
しかし、そんなジジイは面白いだけで、特に人に不快感を与えるものでもなんでもない。
今サウナや銭湯で“股間ドライヤー”というのが問題になっているらしいって話は聞いたことがあったんだが、この前、とんでもない“股間ドライヤージジイ”をこの前見たのだ!
とんでもないって、どの程度とんでもないか? っつうと……よし、この話は今日のオオトリにしよう。
そんなオオトリの前に、前座としてもう一人ナイスなキャラオヤジについてまずは書こう!
発見地は埼玉は草加の『SKセンター』。この施設は、その名前だけ聞くと年寄り集会所と思われがちだけど、その実態はとんでもなく熱密度の濃いサウナ室と、前代未聞の攪拌力で体感温度が極地並の水風呂を有す、マニア垂涎サウナなんだけど、そんな灼熱のサウナ室に問題のオヤジはいらっしゃった!
サウナの苦手な人ならば、入った瞬間に、
「のぼせました!」
っていいかねない熱気の籠もった部屋の、それもサウナストーブのすぐ横で、そのオヤジはスクワットを繰り返していた。
いや、たまにいるんだよ、サウナ室で運動とかしちゃうヤツ。空いてたりすると、それこそスクワットやったり、中には腕立て伏せしている人も見たことある。でも、そんな長いことできるワケないじゃない、この熱さの中。せいぜい十回程度で「ウヘ〜」なんつって辞めて、もう運動したことで完全に体もいっちゃってるんで、すぐにサウナ室から御退場ってパターンなのね。
そのオヤジもオレがサウナ室に入った時にはすでにスクワットを初めていたから、こりゃあすぐ辞めて御退場パターンだな……と思ってたんだけど、いつになっても辞めないんだよ。
それもご丁寧にサウナストーブのすぐ横でスクワットを続けている。2〜3分が経過し「ウソだろ?」と思ってもまだやっている。
いいですかスクワットですよ。普通の人なら、涼しい所でやったって40回もやりゃあ足の筋肉がパンパンになってきますよ。それをサウナ室で、おそらくはもう100回くらいやってるんじゃないだろうか? それもやってるのプロレスラーじゃないよ。体つきはガッチリしてたけど、まちがってもアスリートとはいえない体形の、どう見ても50才は超えてるようなオヤジですよ。
そんなオヤジが「フンッ! フンッ!!」という掛け声までかすかに発しながら、延々スクワットに没頭している。その姿は幽鬼というか、ほぼ力石徹!! あの矢吹丈戦の為地獄の減量を行っていた時の力石徹そのものだ!