また、グレイスはフィットHVよりカーブや高速レーンチェンジ、山道走行での乗員の揺すられ感、ロール感が少ないのも特徴で、これはヒップポイント/視線の低さによるものと推測できる。
フィット同様、マイナーチェンジの内容とは思えないボディーの肉厚アップ、遮音・吸音材の追加などによる静粛性向上、最新のホンダセンシング採用などの進化はもちろん、フィット同様。コンパクトセダンとしての快適性、乗り味の上質感は一段と高まっている。一見地味目のグレイスではあるが、乗ると目から鱗。フィットより優れた部分もあるのだからお値打ち。フィットと違い、街を走る台数が圧倒的に少ないのも、隠れた名車!? 的存在感を放つゆえんだろう。
自動ブレーキを含む先進安全運転支援機能を備えた「ホンダセンシング」グレードのHV LX、EXを選べばこのクラスでは希少なACC=アダプティブクルーズコントロールも備わり(DX、ガソリンLXにもOP装着可能)、長距離ドライブ、渋滞時に両足がペダル操作から開放され、楽々極楽。もちろん燃費性能もHVは32.4~34.8km/Lと超優秀(JC08モード)。実用コンパクトセダンとして極めて買い得な1台と言っていい。
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。