コンパクトセダンにしてトランクの実用性に優れる点にも注目したい。なにしろ独立したトランクの容量はフィットの314Lに対して圧倒の430L(床下4L分含む/FF)。具体的にはラージサイズのスーツケース3個、またはゴルフバッグ3セットが積めるのだから積載能力は驚異的と言っていい。こうしたパッケージングの素晴らしさ、もちろんフィット譲りかつ独創のセンタータンクレイアウトによるものだ。
では、1.5Lエンジン110ps、13.7kg-m+モーター29.5ps、16.3kg-mのパワートレーンを積む、新しいグレイスHVを走らせてみよう。
以前から走りはフィットとは別の方向性にまとめられていて、フィットはキビキビした走行性能、グレイスはセダンらしく穏やかで安定感を強調した走りが自慢だった。そのコンセプトは新型にも継承され、例えば、首都高速のカーブをハイペースで駆け抜けてもハンドルは応答遅れなく、ノースがリニアに向きを変え、誰もが安心して運転を楽しめる落ち着き払った安定感に満ちたフットワーク、終始穏やかな挙動を見せるのがグレイス。乗り心地やミッションの変速も一段と洗練されている。独立したトランクの有無によって、飛ばしたときにフロントヘビー気味のフィットHVよりこちらのほうが走りやすい・・・と感じる人もいるはずだ。