ホンダのコンパクトセダン、グレイス。こう言ってはなんだが、今や日本の国民車になっているフィットをベースにしたHVもそろうコンパクトカーなのに、その存在はフィットにくらべ、地味・・・。
が、だまされたつもりで試乗していただきたい。「けっこういいじゃないか、いや、かなりいいじゃないか!!」と思える人が少なくないはず。ちょっとおおげさに言えば、フィットよりいい部分もあったりするのである。
すでに@DIMEで報告しているフィットのマイナーチェンジに伴い、リフレッシュされた新型グレイスは、より落ち着いたエクステリア、より洗練されたインテリアを備えている。
実は、このグレイス。先代フィットのセダン版であるアリアとは違い、フィットにトランクを付けただけのコンパクトセダンではない。インテリアは、目に触れる部分でフィットHVと同一なのは前席(表皮は別)とセレクターレバー回り、スピードメーター左右のカラー液晶ディスプレーぐらい。このクラスにしてソフトパッドを用いたダッシュボードはフィットより低められ!前席に位置はフィットより10mm低く、なおかつ後方へ25mm移動。後席の着座位置にしても後寄りにセットされ、見晴らし重視でアップライト気味のフィットより20mm低くなっている。これはセダンらしい落ち着いた着座感を得るための、思い切ったこだわりの仕様変更だ。
そのおかげで、身長172cmのボクのドライビングポジション背後に座ると、後席ひざ回り空間は広大にもほどがあるフィットの255mmに対して+20mmの275mmもの余裕があるから驚きだ。
ちなみに後席ひざ回り空間はヴィッツ175mm、スイフト160mm、アクア160mm。275mmはホンダ最上級サルーンのレジェンドの同280mmに匹敵する!!からゆったり。なおかつ後席フロアに凸がなくフラットだから、推奨はしないが後席に3人乗車しても中央席乗員の足元広々というわけ。
しかもこのクラス唯一!の後席エアコン吹き出し口が備わり、HVはインバーターエアコンだから、アイドリングストップ中もエアコンの冷風が途切れることなし。これは地味な内容だが、後席の快適度が超ハイレベルであることを意味する。