マイホームが欲しいと思ったら、同時に考えるのが住宅ローン。しかし完済までどれくらいかかるのか、そもそも何歳までがリミットなのかは気になるところ。
不動産情報サイト アットホームが2014年、住宅ローンを完済した子あり既婚男性サラリーマン320名に対して行った「住宅ローン完済」の実態調査では、住宅ローン完済までの期間は平均13.7年。そして9割が繰り上げ返済で完済している。
リミットは、退職のことを考えると、45歳くらいまでという説がある。果たして本当なのか。ファイナンシャルプランナーに聞いた。
■住宅ローンは45歳がリミットは本当か?
住宅ローン契約のリミットはいつまでなのか。よく45歳がリミットといわれるが、これについてファイナンシャルプランナーの町田萌さんは次のように答える。
「基本的に、人それぞれの事情を総合して判断すべきと考えています。それを踏まえた上でお答えすると、平均を取り、無難な返済を考えるのであれば45歳までが住宅ローン契約のリミットかもしれません」
町田さんによれば、「45歳までが住宅ローン契約のリミット」の根拠は次の3点が考えられるという。
(1)80歳以降は団体信用生命保険(※)に加入できないため、80歳が完済の上限であり、35年ローンを組む場合には45歳がリミット。
「この理由だけで考えれば、返済期間を短くする、繰り上げ返済を視野に入れるなどの対策により、この問題は解消できます」
※住宅ローンを組んだ人が死亡または高度障害状態になったときなどに、その保険金で住宅ローンを返済する生命保険のこと。
(2)住宅ローンの返済期間の平均を約13~14年とする場合(アットホームの調査を参考)、退職して年金生活に入る65歳より前に完済できる45歳がリミット。
「これについては見落としがちなポイントがあります。将来的に65歳が定年退職の年齢であるとは限らないことです。むしろ、そう遠くない将来に年金受給年齢が遅くなっていき、定年退職が70歳以降になると考えられますが、老後のお金の話になると、途端にこの視点が抜け落ちるケースが少なくないと感じています。数十年先であるため、非常に不確定です」
(3)定年が近くなるにつれて、銀行の審査が通りにくくなる
「銀行の住宅ローンの審査では、今現在の定年退職年齢を前提に審査されます。配偶者の収入状況などによっても異なりますが、(1)の問題もあり、45歳が一つの分岐点になるようです」
そして町田さんは次のように補足する。
「(1)と(2)から考えれば、絶対的に45歳までが住宅ローン契約のリミットであると断言はできないでしょう。また、個々の事例により、必ずやリミットを超えることができないことはないと考えます。『45歳がリミット』というのはあくまで目安と考えていいと思います」