■サラシアを家庭で取り入れるには?
血糖値上昇を抑えられる上に、腸への良い効果も期待できるとするならば、家庭でも取り入れたくなる。どんな方法があるだろうか。
「本場スリランカでは、サラシアの木を削って作ったコップに水を入れて飲んだり、食事前にお茶として飲んだりするのが一般的な使用方法です。すでに日本でもサプリ、お茶、ペットボトルなどの形で、健康食品として販売されています。血糖値上昇を抑制するという意味では、食前が有効です。なお、糖尿病の治療薬を飲んでいる方の併用は、医師のアドバイスに従ってください」
■糖の吸収を抑える働きのある食品
ところで、サラシアの他に、糖の吸収を抑えるような食品はあるのだろうか。
「糖の吸収を抑える働きのある食品としては、酢、水溶性食物繊維(※)、玉ねぎなどが一般的です。また、桑の葉やギムネマなどのお茶も有用とされています。
桑の葉はサラシアと同様に小腸からの糖の吸収が抑えられることによって、血糖値の上昇が抑制されますが、ギムネマの葉を噛み続けると甘味を美味しいと感じなくなることから、糖類の摂取を抑えられると考えられています」
※水溶性食物繊維…水に溶ける食物繊維。リンゴ、バナナ、柑橘類、昆布・わかめなどの海藻類に多く含まれている。
いまでは糖質を多く摂取することが気になるときに外食利用をする際にも、サラシア由来のものや豆腐、こんにゃく麺など、さまざまな選択肢が増えた。それぞれどんな意味があるのか、どんな働きをするのか意識しながらうまく取り入れるのがよさそうだ。
取材協力
英国アーユルヴェーダカレッジ
校長 山田 泉さん
本場スリランカ人医師から日本語で本格的なアーユルヴェーダの授業を受けられるスクールを東京で運営。オイルトリートメントはじめ、食事や睡眠、ストレス改善のためのカウンセリング技術も修得できる。サロン開業のサポートも行っている。
http://www.ayurvedacollege.jp
取材・文/石原亜香利