●高額な契約金が裏目に?赤字転落から倒産へ…
ところがこうした積極展開が裏目に出たのか、「L.A. Gear」は1991年、大幅な赤字を計上します。翌年にはグリーンバーグをはじめ経営陣も入れ替え。著名人との契約もほとんどが数年で終了となってしまいました。
華々しく立ち上げたマイケル・ジャクソンとのコラボもセールス的には不発でした。1993年には「MJが契約どおり新アルバムをリリースしなかった」として、法廷闘争にまで発展しています。
1994年、「L.A. Gear」は競技用シューズから完全に撤退。1992年のバルセロナ五輪「ドリームチーム」に選ばれ「カタパルト」を着用したカール・マローンとの契約もほどなく終了しました。そしてついに1998年、「L.A. Gear」は倒産に至ります。
●ライフスタイルブランドとして再出発、復刻モデルも話題に!
21世紀に入り、「L.A. Gear」は新しい経営体制のもと再出発を図っています。2003年にはかつてマローンが履いていた「カタパルト」をリローンチし、NBA選手との契約も再開しますが、この路線は失敗。現在ではラッパーのタイガとクリエイティブブランドアドバイザー契約を締結し、カジュアルスニーカー市場に注力しています。日本では販売されていませんが、「KAJ」などの歴史的モデルも続々と復刻中です。
昨年には、かかとに埋め込まれたLEDが着地するたびに光り輝く、という謎のギミックを持った「L.A. Light」(オリジナルは1992年発売!)の復刻も、一部スニーカーマニアの間で話題になりました。
余談ですが、もともと「L.A. Gear」を立ち上げたグリーンバーグも新たな挑戦を続けています。1992年、「L.A. Gear」のCEOを辞職した直後に彼が設立したのが「Skechers」です。このダイナミックさが、アメリカらしいですね。
@DIME世代のみなさん、80~90年代に憧れたあの「L.A Gear」が生まれ変わろうとしています。今ならまだ履いている人も少ないから、狙い目ですよ!ウケ狙いで!
文/DJGB
※記事内のデータ等については取材時のものです。