■怒られ方と離職者について、上司の怒り方次第で、離職を防げる?
上司の怒り方が変われば「仕事のモチベーションに影響を与えなかった」と答えた人が70%。「異動希望を出した」74%、「離職した」57%の方が、怒り方が変わればその判断をしなかったと回答した。
調査結果について 安藤氏は以下のように考察する。
「企業にとって離職率は目に見えるコストとして大きくのしかかります。今は人材不足気味になっており、採用コストは上昇しています。こうした環境下で、怒り方によって離職率が変わることは企業が真剣に向き合わなければいけない問題です。
業務効率、生産性向上の仕組み的な取り組みも重要ですが、感情の生き物と言われる人の組織では、人間関係向上により配慮した方がコストを下げられることを暗に示していると言えるかもしれません。人間関係で大きなトラブルを生むのは怒りの感情です。怒りの感情を上手に扱える組織が優秀な人材を集め、人にかかるコストを削減し、引いては生産性を上げていけると言っても過言ではないと言えるでしょう。
怒る側、怒られる側で大きな意識の差があることが調査からわかりました。ごく簡単にまとめてしまえば、怒る側は怒っていることをあまり気にしておらず、怒られる側は怒っている側が思う以上に怒られていることを気にしているということ。この怒る側と怒られる側の温度の差が、業務の現場で様々な行き違いを起こしています。
怒る側は怒られる側との間に大きな意識、温度の差があることを承知した上で、怒っていることを上手に伝えられるようになることが必要です。環境変化のストレスで6月病が増えると言われるこの時期、少しでも本調査が、新管理職の皆さんをはじめとする多くの皆様のお役に立てればと思います」
【調査概要】
調査対象:社員(職員)100人以上の企業(団体)に勤める正社員(正職員)の男女とコールセンター勤務の男女
回答サンプル:部下・後輩に怒ったことがある者および顧客に怒ったことがある者515名、上司・先輩に怒られたことがある者および顧客に怒られたことがある者774名
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査(調査会社の登録モニター活用)
調査日時:2016年3月
文/編集部