■法政大学文学部心理学科教授教育学博士 渡辺 弥生氏がすすめる「父子旅」
子どもは、普段学校でも我慢することや臨機応変さを言葉として知ることはできますが、旅では、さまざまな体験を通して実感として学ぶことができます。また旅をすることで、思い出を作ることはもちろん、初めての体験を通じて好奇心を育んだり、誰かと一緒に旅をすることで協調性や思いやりを学んだりと、得られることがあります。それが父親と子どもとの旅「父子旅」であった場合は、上記のことにプラスして旅の計画段階や旅先でのコミュニケーション時間が増えることで家族関係が良好になるでしょう。
「父子旅」をするにあたり、「どんな旅するのか」ということを、夫婦で話し合うことで会話時間が増えます。また、旅の計画を子どもと一緒に行うなら、プランを立てるスキルを学び、モチベーションも高まります。何より家族全体での会話時間が増えるため家族関係が深まります。
旅先では、父親が子どもに何か体験するときにお手本を見せたり、やり方を伝えることなどを通じて、普段忙しくてなかなか見せることのできない「父親の背中」「父親像」を見せることができます。
さらに、旅先でゆったりとした時間を過ごすことで気持ちも解放され、特に思春期の子どもは、普段話せない悩みごとなども父親へ相談できるようになります。
「父子旅」は、父親と子どもとの関係性を高めること、また家族仲を深める一助になるでしょう。
【調査概要】
調査時期:2017年5月9日(火)~11日(木)
調査対象:30~60代の男性1107名(父子旅経験者542名・非経験者565名)
調査方法:インターネット上でアンケートを実施
文/編集部