〈装備の充実度、実用性で『イグニス』に軍配〉
◎スズキ『イグニス』
[運転性能]ハイブリッドは3000回転あたりからの加速で効果を発揮。操舵力はやや重めで昔のFFのスポーツカーのよう。17点
[居住性]前席は高めの着座位置で視界もいい。後席もスライドできて広い。実用性はかなり高い。19点
[装備の充実度]オプションではあるがデュアルカメラブレーキサポートをはじめとする安全装備はかなり充実。19点
[デザイン]『アルト』同様、このクルマも外部のデザイナーが関わっていると噂されている。塊感があってユニーク。18点
[爽快感]動きは全体的にやや重めだが、ハンドリングの正確さは国産車の中でも上位にランクされるレベル。17点
[評価点数]90点
◎ルノー『トゥインゴ』
[運転性能]軽めの操舵力、高速走行もしっかりしたハンドリング、6速ATはシフトラグが少なく手動モードも好感触。18点
[居住性]前席は着座も高めだが、床も高め。後席はやや狭め。後席のドアウインドウは全開しない。17点
[装備の充実度]安全性は確保されているが、衝突防止など安全装備は最低限の機能のみしか搭載されていない。16点
[デザイン]全体のスタイリングやインテリアのカラーセンスは、洗練されたパリの街並みを感じさせてくれる。19点
[爽快感]スタート時から0.9Lというエンジンのサイズを感じさせない。変速ショックも改良されており楽しい。18点
[評価点数]88点
【OTHER CHOICE】リーズナブルな価格とラインアップで攻勢をかける輸入車勢
このジャンルにおいて日本車は元気がない印象がある。というのも、欧州では数年前から小排気量+ターボの実用化が進行していたが、日本のメーカーはあまり注目していなかったのだ。だが、最近になって次々登場する欧州の小排気量ターボ車の実力を見て、追従し始めた。昨年11月にはトヨタとダイハツが1L+ターボの小型車『ルーミー/タンク』を発売。これはコンパクトミニバンだが、おそらくこのエンジンが新型『ヴィッツ』にも展開される模様。
もともとコンパクトカーが得意分野だった輸入車勢はその技術を生かし、さらにパワフルなターボエンジンを組み合わせるなどして、エンジンのダウンサイジング化を強める可能性がある。BMWが『3シリーズ』のセダンに3気筒1.5Lエンジンのモデルを投入したのもその一例だ。しかも、車両価格が国産車とほぼ同レベルに抑えられており、ユーザーの関心も高い。小排気量エンジンの登場は、車両価格の変動にもつながる。2017年は国産車と輸入車の競争が激化するかもしれない。
◎スマート『フォーツー』201万円〜
◎フォルクスワーゲン『UP!』154万8000円〜
◎フィアット『500』199万8000円〜
文/石川真禧照
※記事内のデータ等については取材時のものです。