◎カセットテープ人気が呼び起こすハードの需要
現在のラジカセ回帰のきっかけとなったのが、アメリカで盛り上がるカセットカルチャーの復権。それを受けて、東京・中目黒にあるミュージックテープ専門店「ワルツ」にも、カセットの黄金期を知らない10代、20代が多く訪れる。角田太郎さんは、
「若い世代はカセットをアートのひとつとしてとらえています。よく〝カセットは音が悪い〟といわれますが、全盛期のハイエンドモデルでミュージックテープを再生すると、パンチの効いたサウンドに感動しますよ。デジタルに慣れた耳にはやさしい音として伝わるようです。彼らにとってカセットは懐かしいものではなく、現在進行形のメディアと感じていると思います」
ただ、カセットの需要にハードの性能が追いつかない。現行品は高齢者向けが大半で、80年代のように痛快なサウンドを聴かせるモデルは少ない。この現状に一石を投じたのが松崎順一さんらが開発したラジカセ『MY WAY』。ラジカセ回帰とリンクして、大手メーカーの本格ラジカセの復活にも期待しよう。
【人気をモノ語る5つの理由】
[1]専門店が登場。セレクトショップも注目するプロダクトに!
日本初のミュージックテープ専門店「waltz」(ワルツ)のオープンにより、デジタル音楽しか知らない世代にも、カセットテープやラジカセの魅力が広まりつつある。セレクトショップ「ビームス ジャパン」でもラジカセを販売し、注目されている。
約5000本のカセットテープを在庫。レコード、VHS、国内外の雑誌、レストアした往年のヴィンテージラジカセも販売する。
waltz オーナー 角田太郎さん
CD/レコードショップ WAVEのバイヤー、アマゾンジャパンを経て、2015年8月にオープン。
〈DATA〉waltz
住所/東京都目黒区中目黒4-15-5 営業時間/13:00〜20:00 定休日/月曜
[2]カセットで新譜をリリースするアーティストも!
パッケージがおしゃれなミュージックテープで、でんぱ組.incやユニコーンなどのメジャー系から、インディーズまで、様々なアーティストが新譜を発売。カセットならではの温かみのある音でもリスナーを魅了する。
でんぱ組.inc『最Ψ最好調!』1204円
ユニコーン『エコー』787円
ようやくカセットテープカルチャー人気が芽吹いた日本だが、欧米ではビジュアルもかわいい商品がすでに数多く登場。ディスプレイ用のアートとして買う人も少なくない。