昨今、LGBTを取り巻く状況は大きく変化をしている。日本では13人に1人、約7.6%がLGBTに該当するといわれており、2020年の東京オリンピック開催に向けて今後ますます関心が高まっていくことが予測される。LGBTに関する独自の調査・研究、情報発信を行なうLGBTマーケティングラボが昨年、日本全国20代〜50代の男女550名を対象に、日本におけるセクシャリティの自覚と許容に関する調査を実施したところ、「自分は100%ストレート(異性愛者)だと思いますか?」という質問に対し、40代女性の約65%が「自分はストレートだが、ストレートではない人がいても良いと思う」と返答。LGBTに対する許容度が全年代の中で一番高いということがわかった。
■質問:自分は100%ストレート(異性愛者)だと思いますか?
回答:
1.100%異性愛者であり、同性を好きになる人がいるのは不快だ
2.100%異性愛者だが、同性を好きになる人がいても良いと思う
3.異性愛者だが、将来同性を好きになるかもしれないし、そうなったらそれでも良い
4.今まで異性としか好きになったことはないが、自分が同性を好きになることがあっても良いと思う
5.今まで異性としか付き合ったことはないが、同性を好きになったことがあり、同性と付き合っても良いと思う
6.異性と同性とも付き合ったことがあり、自分を100%異性愛者だとは思っていない
7.異性愛も同性愛も含め自分のセクシュアリティを特定する必要はないと思う、気にしていない
8.自分はセクシャルマイノリティに該当すると思う
9.あてはまるものはない
調査の結果、「1.同性を好きになる人がいるのは不快だ」と答えた、LGBT否定派は全体において約20%程度にとどまり、将来的な可能性も含めて自身がLGBTだという人(3.〜6.回答者)は5.2%ほど(550人中約28.6人)、自分はストレートであるがLGBTに理解を示すという人は52.4%(回答者の半数強)だった。
■性別・年代別の結果
◆20代(20歳〜29歳)
◆30代(30歳〜39歳)
◆40代(40歳〜49歳)
◆50代(50歳〜59歳)
今回の調査で、全世代の中で40代女性がLGBTに対する許容度が一番高い、ということが判明。なかでも、40代前半(40〜44歳)では約7割が「自分は異性愛者だが、同性愛者がいても良い」と答えている。この結果は、TVを中心としたメディアでLGBTについて取り上げる機会が増えることによって、中心視聴者層である40代女性にLGBTに対する許容度が高まったことが要因の一つだと考えられる。
その一方で、50代男性の間では、LGBTに対して不快に思うと答えた人が24.2%おり、まだまだLGBTに対する理解がないことがうかがえる。今後、日本企業のダイバーシティへの取り組みを促進するためにも、企業へのLGBT研修を通じて、企業の役員・役職者であるこの世代への理解を促す必要が求められそうだ。
【調査概要】
調査地域:全国47都道府県
調査対象:20〜59歳の男性 305名、女性245名、計550名
調査期間:2016年3月17日
調査方法:インターネット調査