『もつ焼の価格に見える謎!!』
さすれば、カップルの女性がすぐさま条件反射のように、
「ダチョウの刺身が最高ですよ!!」
おっとおおお! もつ焼と煮込みがうまいだろうと予想してたら、思わぬ伏兵登場! それもダチョウだ!! なんだかワクワクしてくる気持ちを押さえつつ、そのカップルに情報提供のお礼をいい、店内に入る。
店内は引き戸の入口を入って左側にはカウンター越しに厨房が見えていて、入り口の右手がホール。ホールの奥半分くらいは入れ込みっぽい座敷があり,満席ならば20人くらいは入れる大きさ。とはいえ、オレたちが入店した時は、常連さんらしき初老男性が一人呑んでいるだけで、奥の座敷は、さっきまで例のカップル以外にも団体がいたのか、大量の食べ終わった皿をお店の人が片づけている最中だった。
卓上には飲み物メニューだけが置かれ、料理メニューは壁に貼られていたり、日替わりがホワイトボードに書かれていたり。まずはレモンサワー(350円)をお願いしてから、気になっていた煮込み(400円)を頼む。
じっくりメニューを見てみると、もつ焼っぽいメニューはタンとかテッポー、カシラなんて書いてあるんだけど、どれも500円という値段。いわゆる串のもつ焼としてはバカみたいに高い!
これはひょっとすると3串か4串で500円という設定なのか? と思うが、もう脳味噌が“もつを食べたい脳”になっていたので、タン(たしか500円)を注文。
噂のダチュウの刺身もメニューに書いてあって、650円となっているが、お店は熟年夫婦と思われる二人で回していて、料理を奥様、ホールをご主人という感じなんで、一度にあんまり料理を注文するのも大変だろうと、とりあえずはこのくらいにしておく。
マカロニサラダというオヤジ殺しなお通しとレモンサワーで「くぅ〜っ!」なんていってるトコロにまず登場したのがもつ煮。コレが見た目がキレイ!
オレね、ブタのもつ煮は東京というより、本場の群馬や隣の栃木でかなり食いまくってる自信があるんだけど、うまいトコロってやっぱりモツがキレイなんだよね。で、ここのもつ煮は、いや〜今まで見たもつ煮でも1、2を争うくらいにキレイなんですよ。モツの腸壁っていうかね、そのシワシワがなんとも優雅に光ながら波々という曲線を描いてまして、お鉢の中に入っているのは、まず煮汁は当然として、それ以外にはこのモツと豆腐のみ! あ、あと薬味に白ネギの小口切りね。
上州あたりのもつ煮は、モツとコンニャクだけ、もしくはモツのみってヤツで、オレはそれが大好きだったんだけど、モツと豆腐のみっていうのもまた素敵じゃないですか!
まずは一切れ、熱々のヤツをフーフーと息吹いて冷ましながら食べる。