さて崎陽軒取材レポート後半編!→前編はコチラ
シウマイが完成したところでいよいよシウマイ弁当の話に移っていこう。1954年に誕生して以来、我々を魅了してきたシウマイ弁当は今までの歴史の中でかけ紙、中身ともに大きく進化を遂げてきた。中でも1974年の改革は非常に大きく、これまで4つだったシウマイがなんと5つに増強され、現在と同じ個数に進化。この進化の名残は現在の弁当内のシウマイのポジショニングにも残っており、弁当内に1つだけ1列に並べていないのが追加された1つ分なのだ。そして2003年、これまで入っていたレンコンの炒め物が勇退し、かつて入っていた玉子焼きがメンバーに復帰。この入れ替えの際にはなんと記者会見を実施!
駅弁の具が変わる際に記者会見が必要なのはこれだけファンが多い「シウマイ弁当」だけだろう。くわえてその玉子焼きと仲良く寄り添っている、かまぼこに関しても2010年に食べごたえを改善するべく、厚さ7mmだったものを8mmに改良。さらにさらに今では当たり前となったお弁当に同梱されているおしぼりも、実は崎陽軒が最初に付けたものなのだ!人気にあぐらをかかずに細部まで改良を重ねるシウマイ弁当に心から敬意を表したい!
「多くの方に愛していただいているシウマイ弁当はそれだけにみなさん、こだわりの食べ方が存在するんです!」と今回工場を案内してくれた広報の高井さんが笑顔で語る。例えばしょうゆ一つにしても、シウマイだけにかける派、ごはんにもかける派や、ごはんに万が一にもしょうゆをしみさせないようにするため、弁当容器を傾け、しょうゆの冒進を防ぐ人などもいるらしい。「おかず内のあんずもいつ食べるか人それぞれですが、ユニークな食べ方として鶏のから揚げと一緒に召し上がられる方もいるそうです」と驚きの発言!確かにこれはなかなか思いつかない食べ方だ。ちなみに高井さんは「しょうゆはシウマイだけでなくかまぼこにもかけて、あんずは食後のデザート派」だそう。
さて、主役のシウマイの他のおかずにも注目してみよう。から揚げや鮪の照り焼きなどどれをとってもファンの多いおかずだが、今回、特にお話が聞けたのが弁当内右上が定位置の「筍煮」。コリコリとした歯ごたえと甘じょっぱい味はごはんのお供はもちろん、ビールのつまみにもうれしい一品。高井さんいわく、「シウマイの原材料は公開していますが、こちらの筍煮に関しては実は秘密になっています。でも実際はかなりシンプルなレシピですよ!ただ、あの味に仕上げるためには一度に大量に仕込むのがポイントなので、なかなか同じ味には仕上がらないかもしれません」とのこと。ちなみに高井さんはシウマイ弁当の製造にも携わっていたそうなので、この筍煮の極秘レシピや製造現場をご存知らしい・・・