ボディー前後のデザイン、SUVのお約束といえるクラッティングパネル、ルーフレール、17/18インチを用意するアルミホイール、シートデザインなどはもちろん専用だが、「街中で映える使いやすいSUV」をコンセプトとしていながら、最低地上高はインプレッサスポーツから40mm高めた200mm!(フォレスター220mm、ホンダ・ヴェゼル170~185mm、トヨタC-HR 4WD 155mm)、全車ともに駆動方式は自慢の電子制御シンメトリカルAWD。さらに世界に通用する本格SUVであるフォレスターで採用されたエンジン、トランスミッション、AWD、VDCを統合制御して、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールする「Xモード」、下り坂の悪路を一定速度で安全に下れる「ヒルディセンドコントロール」まで新採用しているのだから、これはもうクロスオーバーSUV、街乗りSUVの皮をかぶった本格SUVなのである。
エンジンはインプレッサスポーツ同様の水平対向4気筒、2L、および1.6Lを新設定。組み合わされるミッションはリニアトロニックCVTである。
そんな新型スバルXVに試乗したのは前日、春の大雪に見舞われた軽井沢。ここでステアリングを握ったのは2.0i-L EyeSight。
限られた試乗コースではあったものの、乗り心地はSGP=スバル・グローバル・プラットフォームがもたらすインプレッサスポーツ同様の、多くの同クラスの国産車とは一線を画す剛性感、上質な快適感に溢(あふ)れたものだった。2LエンジンはSIドライブのデフォルトとなるインテリジェントモードではインプレッサスポーツ比約100kgの車重増、2Lに関しては燃費重視の狙いもあってかなり穏やかだが、ステアリングスイッチでスポーツモードにセットすれば十二分な加速力を濃厚かつスムーズに発揮する。
路面はかなりウェッティだったのだが、高いAWD性能がまったく不安のない走りをもたらしてくれた。それを支えるひとつのポイントが重心感。たしかにインプレッサスポーツと比較すれば車高は40mm高まっているのだが、視界がいいだけで重心感の差はフツーに走る限りまったく感じられなかったのだから大したもの。サスペンションはもちろん専用で、「AWDスポーツ」というべき走りの世界を実現していると言っていい。