■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆遠赤グラファイトを使った、煙もにおいも抑えられるグリラーが新発売
ストーブなどの暖房機器のブランド「アラジン」による、初めての調理機器が2015年に発売した「アラジン グラファイト グリル&トースター」。2016年には2枚焼きの「アラジン グラファイト トースター」をリリースし、計15万台の大ヒットとなった。トースターに使われている「遠赤グラファイト」の技術を搭載した新製品「アラジン グラファイト グリラー」(3万2000円・税別)が4月より販売を開始した。
「アラジンといえば、80年以上に渡って、基本性能を若干修正しながらもほぼフォルムを変えずにたくさんの人に愛用されている石油ストーブの『ブルーフレーム』。ブルーフレームは名機であり、その後石油ファンヒーターなどを出したが、ブルーフレームを超えるものはできなかった。
一昨年のトースターはオリジナリティーのある商品で、ヒーターの技術を応用しながら作り上げたもの。これでアラジンが再生するのではないかと社運を賭けて、宣伝広告費も初めて原価の中に入れた商品だった。それに続くのが今回のグラファイトグリラーで、お客様が喜ぶ納得いく商品を作れと、開発途中で作り直すこともあったが、満足度が高い商品が感性した」(日本エー・アイ・シー 千石 唯司代表取締役社長)
特許技術の遠赤グラファイトは、衛星にも使われている「ポリイミドシート」を利用したヒーターで、熱伝導が良く熱伝導率は鉄の10倍。0.2秒で発熱し、シート状で放射熱の指向性が強く上下面に熱が集中するため、従来品のような全体的に熱を伝えるものに比べるとエネルギーの無駄がなく、一気に食材に熱を伝えるのでおいしさが保てる。
「グラファイトグリラーの熱を出す部分は上面のみ。上からだけではうまく焼けないと心配する人もいるが、フライパンは熱伝導で食材を温めるが、こちらは直接ヒーターから高温輻射で熱源が伝わるので、柔らかくおいしく仕上がり、うまみを逃がさない。また、上から温めるので食材から出た油が下に落ち油が熱せられないため、ほとんど煙が出ないしにおいも抑えられる」(千石 千石 剛平取締役副社長)
ホットプレートと比べると、煙とにおいが約3分の1以下に抑えることができ、油もほとんど飛び散らないので、焼肉を食卓で調理をしても後片付けが簡単にできる。ブルーフレーム色でもある、レトロな雰囲気のアラジングリーンでデザイン性も高い。
温度調節は5段階。食材の表面温度で50~360度を手元で操作できる。プレート台の部分をそのまま外して丸洗いできるのでお手入れも簡単。ヘルシーネットとクイックプレートの2種類が付属している。