■連載/ペットゥモロー通信
ヨークシャー・テリアの意外な歴史
「ヨーキー」の愛称で親しまれ、超小型犬ながらその気品ある姿で存在感を放つヨークシャー・テリア。そんなヨーキーには、現在の愛玩犬という印象とは少し違う、意外な歴史がありました。
イギリスのヨークシャー地方で生まれたことからその名前が付けられたヨークシャー・テリアですが、実は最初は「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」というのが正式な犬種名でした。しかしこの名前が長すぎるため、いつからか「ヨークシャー・テリア」と呼ばれるようになり、それが定着して現在に至ると言われていてます。
ヨーキーは、19世紀の中頃、イギリス・ヨークシャー地方の工業地帯で工員や炭坑夫の家を荒らすネズミを退治することを目的に交配された犬種で、当時は今よりも体が大きく、毛質もワイヤーヘア寄りだったといわれています。
しかし、ヨークシャー地方に織物業者が多かった影響か、ヨーキーはマンチェスター・テリアやスカイ・テリアなどと交配され、小型化されるのと同時に、現在のような滑らかで絹のような毛質になりました。
前述のように当初はネズミを捕まえる間接狩猟犬として生まれたヨーキーでしたが、被毛の美しさや小さいサイズ、活発な性格などから次第に貴族などの上流階級の人々にも愛玩犬として愛されるようになりました。
日本でも、ジャパン・ケネルクラブの飼育登録数ランキングでは長期間トップ10入りするなど、長年愛され続けている犬種のひとつです。
文/大原絵理香
構成/ペットゥモロー編集部