鎌倉土産の定番『鳩サブレー』で知られる豊島屋の本店には、文具を中心とする限定グッズがある。それは、社長のツルならぬ〝ハト〟のひと声で生まれた!
◎菓子とハトを愛する男が考える笑いの美学
豊島屋本店のみで販売されている「鳩これくしょん」。それを見て、てっきり若い女性社員がアイデアを出していると思い込んでいた。しかし、取材に現われたのは巨漢の男性。豊島屋社長である久保田陽彦さんだった。
「よく驚かれるんですよ」
と笑った後、久保田さんは、グッズを作った理由を話し始めた。
「お客様に鎌倉に何度も足を運んでもらいたい……その手段のひとつとして作り始めました」
しかし、単なるノベルティーグッズと異なり、どれも並々ならぬ熱意が伝わってくる。
「ハトを付けるだけじゃつまらない! 『バカだなぁ』と思わせるくらいとことん作り込むことに喜びを感じるんです(笑)」
と言った後、一転して真剣な顔で、こう話を続けた。
「我々は菓子屋です。その伝統や製法を守るため、真剣に取り組んでいます。一方で、本業に軸足を置いていれば、何をやってもいいとも思っている。今後も人を笑わせるモノを作りたいね。何か、いいアイデアない?」
100年以上続く味を守る4代目。文具の展示会もマメにチェックするほどの文房具好き!
「豊島屋 本店」
住所:神奈川県鎌倉市小町2-11-19
電話:0467・25・0810
営業時間:9:00〜19:00
休日:水曜日(祝日は営業)
鎌倉を代表する銘菓『鳩サブレー』を生み出した豊島屋は、1894(明治27)年に創業。本店限定の「鳩これくしょん」売り場は、菓子に匹敵するほど注目を集めている。