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【サラリーマン相談室】定時に帰る新入社員と教育係の私に不満をぶつける周りの社員たち

2018.06.06

みつさん「だから、役割分担なんじゃないか。みんなが5時に帰ったら会社が倒産する。当然だよ。でも、みんなが夜12時まで残るような会社になったって倒産するさ。

 彼女が会社を全体的に緩和していることに気づけないのかい? 君だって彼女がいるおかげで、少しだけ早く帰れる環境になっているはずだ」

今井「あ、確かに。彼女が来る前は、10時まで残ってましたけど、彼女が5時に帰るもんで、8時に帰ることへの罪悪感がなくなりました」

みつさん「ほら、彼女のおかげで会社全体の残業時間が減っているじゃないか。君の帰りやすさも彼女がつくっている。それが、新人である彼女の役割だ。新人が一番役に立つのは、何だと思う?」

今井「新人は、役に立ちませんよ」

みつさん「いいや、『役に立たない』という役に立っているんだよ。新人が一番役に立つのは、『役に立たない』という点だけだ。何もできないんだから、当然だよ。

 でも、何もできないという価値がとても大事なんだ。5時に帰るなんて最低だと言われながら、君たちが8時に帰りやすい環境を整えてくれている。『仕事もできないくせに』と言われながら、君たちが仕事ができる気にさせてくれる。君の教育係は、彼女だ」

今井「教えているようで、教わっていたということですか?」

みつさん「どっちもだよ。君は教えている。会社の常識を。

 そして、彼女は教えてくれている。『常識がおかしい可能性はないですか?』と。どちらも、会社にとってとても重要な役割だ」

今井「確かに、一度彼女に『どうして5時に帰ったらダメなんですか?』と言われた際、反論できなかった。就業規則には書いていないから。雰囲気や慣習で残っているだけで、会社の常識がすべてじゃないかもしれないですね」

みつさん「自分が信じ込んだ常識というのは、世間にとっては非常識なのかもしれない。新しい価値観の彼女の役割は、会社にずっといたせいでわからなくなっていることを、君たちに教えることじゃないか」

今井「会社にいたせいで、わからなくなっていることなんてあるのでしょうか?」

みつさん「あるよ。『わからなくなっていること』なんだから、当然、君たちにはわからないんだけどね」

今井「そうか。ひょっとすると長年の経験のせいで、何かがわからなくなってきているのかもしれない。そして、何が『わからなくなってきているか』は、わからなくなっている私たちには、わからないはずですよね。彼女には、それがわかっているのか」

みつさん「そうだ。彼女は君たちがわからないことを、わかっている。君たちは彼女がわからないことを、わかっている。

 この価値観の違いこそが、お互いの理解を深めるんじゃないか。彼女には君たちが必要なように、君たちにも新しい価値観である彼女が絶対に必要なんだよ」

【今週のみつさんの智慧】

(1)彼女が5時に帰るおかげで、良くなっていることがないか探してみよう。
(2)自分たちが信じている常識だけが、正しいとは限らないと知ろう。

さとうみつろう●大学卒業後、エネルギー系の企業に入社。2011年、ブログ『笑えるスピリチュアル』を開始。様々なブログランキングで1位に。14年に会社を辞め、全国各地でトークショー&ピアノライブを開催。現在は那覇市在住。http://ameblo.jp/mitsulow/

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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