■連載/オンナは男のココが気になる!
肌が老化することは知っていても、頭蓋骨まで老化することを知っている方は、おそらく少数派ではないでしょうか。なんとなく、「中身の骨はおんなじだけど、外側の肌が老化して、顔が更けていく」というイメージを持たれている方がほとんどだと思います。
でも、顔面の骨も、しっかり老化するんです。
「あぁ、骨が痩せるってやつね」、「骨粗しょう症?」と思われた方、実は、そんな程度じゃないんです。もちろん、骨の密度も大事な問題ですが、美容の観点から、見た目年齢に影響大な部分のお話しをすると、なんと、形そのものが変わっていきます。
まず、目の周りの空洞部分の形。まんまる型から、下がり楕円に変化します。目周りを下からしっかり支えてくれていた骨が加齢と共に減っていき、パンダ風の垂れ下がった形になっていくのです。骨と共に、そこに支えられていた肌も一緒に下がり、目もとたるみの一因に。キリリとした顔立ちだった方も、加齢とともになんとなくぼんやりした印象になっていくのもこのせいです。
そして、側頭部の骨も、丸みを失っていきます。若いころは、その丸みで上方向に引き上げられていたはずの肌が、支えを失ってしまうわけです。お顔の上の方の部分なので、その影響力は大きく、目もとだけでなく額や頬など、お顔全体が下垂していきます。
この変化、個人差はありますが、30代からもう始まっています。そして、お肌のお手入れと違って、手が届かず、なんとも対策をとりきれないのがつらいところ。骨の老化は、止めることはできないけれど、悪化させないためのライフスタイルの見直しは大切です。たとえば、正しい姿勢を意識する、歯並びを矯正する、毎日ほんの少しでも体のストレッチを行うなど、自分の努力でできるゆがみ対策を取り入れること。
そして、スキンケアもお忘れなく。「どうせ骨が老化するんだから、肌で何やったって」・・・ではないのです。「骨まで老化するんだから、肌くらいはしっかりやろう」と思っていただきたいです。実際、うるおいを与える「保湿」をしっかりするだけでも、様々なダメージからの肌の抵抗力はずいぶん変わりますし、日焼け止めを塗る、塗らないでも、肌のハリを保つコラーゲン、エラスチンの断裂具合は大違い。頭蓋骨老化に負けないよう、自分で何とかできる範囲は、責任もって徹底しましょう。
文/今泉明子
医学博士・皮膚科専門医。
※記事内の情報は取材時のものです。