■連載/ペットゥモロー通信
祖先であるブルドッグを助けた
その愛らしい容姿や性格から、日本で着実にファンを増やしているフレンチ・ブルドッグ。どのように犬種が誕生し、どんな歴史を持っているのでしょうか。
フレンチ・ブルドッグの原産国はその名の通りフランスですが、その誕生にはイギリス人やイングリッシュ・ブルドッグが関わっているという説が有力です。イギリス人がフランスに連れて行ったイングリッシュ・ブルドッグとパグやテリアなどの犬種が交配され、フレンチ・ブルドッグが誕生したといわれています。
闘犬のブルドッグを先祖に持つフレンチ・ブルドッグですが、改良を重ねる中で温和な性格になっていき、愛玩犬として貴族の間で大変人気になりました。そんなフレンチ・ブルドッグは、先祖であるブルドッグの原産国イギリスに逆輸入されたという歴史を持っています。
ブルドッグは闘犬として人気でしたが、1835年に闘犬を禁ずる法令の発令されたことにより、犬種存続の危機に直面。このピンチを救ったのが、フレンチ・ブルドッグです。フレンチ・ブルドッグとの交配が、ブルドッグの闘争的な性格を取り除き、愛玩犬として飼いやすいよう小型化することに役立ち、犬種の存続に貢献したといわれています。
日本で紹介されはじめたのは大正時代といわれており、その後、昭和初期に人気を博しました。それからは飼育頭数を減らした時期があったものの、現在は再びフレンチ・ブルドッグに魅了される人が年々増えています。
文/大原絵理香(ペットゥモロー編集部)