■女性はにおいにも敏感?
ところで、女性は味覚だけでなく、嗅覚にも優れているという。それにはまた理由があるようだ。
「嗅覚は、他の感覚(味覚、視覚、聴覚、触覚)と異なり、『視床』という中継基地を経由せず、『嗅覚中枢』に直接到達します。その中枢は、脳の中でも原始的とされる『辺縁系』にあるため、“野生の勘”的な感覚とも考えられます。
女性は、男性よりも嗅覚が優れているとされています。その理由として、太古の昔から女性はにおいを嗅ぐことで、食物の品質の良し悪しを確かめたり、身の安全や危険を察知したりする必要に迫られていたことがあります。女性は自分の子供のにおいを他人の子供のにおいと鑑別する必要もありました」
女性が甘いものが好きなのは生まれつきや女性ホルモンのバランスに関係していた。しかし、ただ甘いものが好きというだけでなく、味そのものやにおいにも敏感なのは、食品の品質を見極めるためでもあったようだ。
(取材協力)
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)さん
山形徳洲会病院長。 1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。2004年に山形徳洲会病院副院長、2008年から現職。
取材・文/石原亜香利
※記事中のデータは取材時のものです。