2016年に入って輸入車各社から続々と1000万円近くする高級SUVが登場。しかも売り上げは絶好調だという。今回は注目の2台を比較試乗し、その秘密を探ってみた。
実は景気がよいのか富裕層が増えているのかわからないが、輸入車の高額な大型SUVが売れている。
今回、紹介する2台も1000万円近くするが、今年に入ってイタリアのマセラティが『レヴァンテ』、英国のベントレーも『ベンテイガ』を日本市場に投入した。
さらに、ロールスロイスやランボルギーニも現在SUVを開発しているという。高級車メーカーがこぞってSUVに参入する理由は、北米、中東、中国などの市場での需要が主なところ。日本でも、今回紹介する2台は「今、うちの一番人気です」(アウディ広報部)、「初期ロットはすでに完売。追加で手配中」(ボルボ広報部)と、売れているという。
人気の理由を探ってみよう。まず乗車定員が7名の3列シートが最大の特徴。しかもボディーが大きいので3列目の実用性は十分。身長165cmクラスでも座れる。もうひとつは経済性を重視したパワーユニット。両車ともシリーズ初投入の4気筒2Lエンジンを搭載している。
全長5m、全幅2m近い大型SUVに2Lのエンジンで大丈夫? と思う人も多いかもしれない。私自身、実際に試乗するまでは懐疑的だったが、最新のエンジン制御技術のレベルの高さは想像をはるかに超えていた。
◎スポーツ性能と実用性をハイレベルで追求
アウディ『Q7』は2Lターボで252PS、370Nm。変速機は8速AT。ほかにV6、3Lスーパーチャージャーモデルもあるがフロントノーズの軽さは2Lモデルが上。燃費も16km/L台を表示する時もあった。もちろん、4輪駆動だ。
一方のボルボ『XC90』は全モデルが2L。ターボとスーパーチャージャー付きターボがあり、今回は後者を試乗した。320PS、400Nm+8速ATで、こちらも4WD。実走燃費は17〜19km/L台を記録した。
加速性能は両車とも0→100km/hが8秒台と速く、かなりスポーティーな印象。変速機や足回りの可変モードも備わっているため、シーンに合わせた走行フィールが楽しめる。
2台ともインテリアの質感は高く、安全装備も充実しており、ファミリーカーとしての実用性は文句なし。このバランスのよさが売れ行きにつながっているような気がした。