12月22日で最終回をむかえた『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレビ朝日)。今年でシリーズ第4弾となる大ヒットドラマだが、大門医師がオペの前にたびたびやっていた「知恵の輪」が、DIME世代には気になったのではないだろうか。
仮に「知恵の輪」と表現したが、テレビに出てくるものはみな、どっしり重厚感があり、形状も知恵の輪から逸脱したアートっぽい感じがするもので、大門医師のおみ足以上に関心をそそられた人は少なくないだろう。
実はこの「知恵の輪」は、玩具メーカーである株式会社ハナヤマが販売する、「はずる」と呼ばれる立体パズルのことである。
これまでに約60種がリリースされているが、典型的な知恵の輪風のものはごく一部、形状のバラエティの多さには驚嘆させられる。いずれも、複数のパーツに分離し、そしてもとに戻すのが遊び方である。小さなインテリア雑貨として棚の上に飾っておくのも楽しい。
ちなみにドラマでは、以下のような毎回異なる「はずる」が登場した。
各「はずる」には、★から★★★★★★の6段階のいずれかの難易度が記されており、★が多くなるほど難しくなる。難易度は、上位2%のIQの持ち主が入会できるJAPAN MENSA(メンサ)の会員数名に解いてもらい、その所感に基づきハナヤマ側が設定している。解き方のヒントは付いていないので、★★★★以上のクラスになると、まったく解けずギブアップしたくなるものが増えてくる。同社マーケティング課の坂本忠之氏によると、7年間格闘した末、ついに「もう降参です。解き方を教えて!」とハナヤマを訪れた中学校の先生がいたそうで、ハマってしまうと大変なことになりそうである。
「はずる」を考案するパズル作家は、日本ばかりでなくアメリカ、オランダ、フィンランド、韓国など世界中に散らばっている。世界にパズル作家が何人くらいいるのか想像もつかないが、ハナヤマは商品候補を毎年数百点見るも、厳選を重ねて実際に商品化にこぎつけるのは3点程度だという。
12月17日には、ウルトラマンシリーズの放送開始50周年を記念し、「はずる キャストマーブル ウルトラマン」が発売された。シリアルナンバー入りの500個限定生産でAmazonで取り扱われるが、予約段階で即座に完売してしまい、既にオークションで高値が付く状況になっている。
予約受付後すぐに完売した「はずる キャストマーブル ウルトラマン」
<商品情報>
http://www.hanayamatoys.co.jp/product/category/puzzle/huzzle.html
取材・文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。