「ウルトラライトダウン」のセンセーショナルなデビューがまだ記憶に新しい中、ユニクロはさらなる革新的ダウンをリリースしていたことをご存じだろうか。その名も「シームレスダウン」。実をいうと昨年からすでにデビューしていたモデルであり、根強い人気と高い評価を得ていたものの、認知度でいえば兄弟分であるウルトラダウンの陰に隠れていた格好だった。しかしこのシームレスダウンには数々の機能性が盛り込まれており、“次世代のダウン”と呼ぶにふさわしい一着なのだ。
シームレスというネーミングが表す通り、縫い目を減らした仕様により、高い防寒性と美しいシルエットを実現。保温性を高めた上に、さらにスタイリッシュに見えるようパターンを見直したのが2016年モデルというわけである。
なぜこれほどスマートなダウンが保温性に優れているのか、この記事ではその数々の機能的ディテールがもたらす快適性の秘密を徹底的に掘り下げてみたい。
「シームレスダウン」が快適な10の秘密
1.縫い目を減らした「シームレス」設計!
「シームレスダウン」はシェル(内面)に圧着加工を施してダウンをパッキングし、限りなく縫い目を減らしたノーステッチ加工を採用している。見ての通り糸を使っていない。糸を使うと縫い目(シーム)が生じ、その縫い目の穴から冷気が侵入してしまうのだという。まさかそんな極小な穴から……とお思いなるのも無理はないが、保温性実験によるサーモグラフィを使った体温変化の推移をご覧いただきたい。この実験では、シームレスダウンは内部の温度を高く保つことが確認された。ノーステッチの部分からダウンが飛び出すということもなくなる。
【シームレスダウンの場合】
【シームありダウン(ステッチのあるダウン)】
※気温10℃、湿度50%の条件下でダウンを着用し、安静着座状態で15分経過後にダウンの前身頃を開き、インナー表面の温度をサーモグラフィで撮影したもの。ただし着用条件により体感温度は異なる。
2.「チンガード」で首元まで暖かい!
冷気が侵入しやすい首元を、高さのある衿ごしによってしっかりとガードする。ファスナーを一番上まで閉めれば、アゴ先までを覆う設計。ヒトは首元が冷えると寒さを強く感じるため、このデザインは秀逸。マフラーいらずでもしっかり暖かい。