■「夫・妻のちょっとした一言で傷ついた」8割半が経験 「ちょっとした一言で幸せになった」は8割
夫婦仲と夫婦のコミュニケーション量については密接な関係がみられたが、夫婦間の会話ではどのような気配りが必要なのだろうか。ここからは、夫婦の会話について、掘り下げて質問した結果をみていく。
まず、全回答者(1000 名)に対し、夫婦間の会話によって経験したことがある出来事について聞いたところ、「ちょっとした一言で傷ついた」は 86.5%、「ちょっとした一言で嬉しくなった」は 79.0%となった。パートナーから掛けられた些細な一言で傷ついてしまったり、嬉しくなったりといった出来事は多くの夫婦が経験しているようで、会話の中で何気なく発せられる“一言”の重要さを窺い知ることができる。また、「言いたいことを我慢しすぎて不満が爆発した」は 62.7%となっている。溜め込んだ不満を爆発させてしまうような出来事を、多くの夫婦が経験しているようだ。
円満夫婦と不仲夫婦で比較すると、円満夫婦では「ちょっとした一言で嬉しくなった」が84.2%、不仲夫婦では「ちょっとした一言で傷ついた」が 95.3%、「言いたいことを我慢しすぎて、不満が爆発した」が 79.4%で、それぞれ高くなった。
次に、パートナー(夫・妻)に対する不満や文句などで、相手に言いたいセリフについて聞いたところ、「片付けをしなさい/だらしない」が 31.9%で最も高く、次いで 2 位は「その口癖よくないよ/変な口癖を直して」(22.3%)、3 位は「少しは休ませて/自由な時間を過ごさせて」(18.7%)、4 位は「もっと大事にして・相手をして」(17.4%)、5 位は「太った?/体型に気を遣って」(16.7%)となった。
しかし、どんなにパートナーに対する不満が溜まっていたり、夫婦喧嘩がヒートアップし冷静でなくなってしまったりしても、相手を深く傷つけるような一言を発してしまうと、夫婦仲を急激に悪化させる結果になりかねない。そこで、夫婦間で気をつけたい“NGワード”を探るため、もしもパートナーの口から発せられたら終わりだと思うセリフについて聞いたところ、最も多かったのは「結婚しなければ良かった/人生を返して(結婚を後悔)」で46.6%、2 位は「触れないで!/生理的に無理(スキンシップを拒否)」で36.4%、3 位は「誰の稼ぎで生活していると思っている!(稼ぎを笠に着て強く出る)」で 29.1%、4 位は「出て行け!/実家に帰る!(別れを匂わせる・宣告する)」で29.0%、5 位は「稼ぎが少ないくせに!(収入を批判)」で 23.7%となった。結婚した当時の気持ちや相手からの好意を全否定してしまうようなセリフと、収入に関連するセリフが上位となった。
男女別にみると、男性は「触れないで!/生理的に無理」が42.0%と女性(30.8%)よりも高く、男性にとってのNGワード 1 位になった。一方、女性は「結婚しなければ良かった/人生を返して」が 54.2%、「誰の稼ぎで生活していると思っている!」が 50.0%と、それぞれ男性(39.0%、8.2%)よりも高くなり、女性にとっての NG ワード1 位、2位となった。男女で意識差があるこういったセリフは、自分が考える以上に相手を幻滅させる恐れのある NG ワードとして、より注意した方がいいのかもしれない。
また、実際に言われたことがある NG ワードについて聞いたところ、「出て行け!/実家に帰る!」が 15.9%で最も高く、2 位は「あなたの親はダメだ/めんどう・おかしな親だね(親の悪口)」で 10.4%、3 位は「誰の稼ぎで生活していると思っている!」で 9.5%、4位は「デブ・ブス・ブサイク(容姿を批判)」で 9.0%、5 位は「稼ぎが少ないくせに!」で 8.1%となった。
これらの NG ワードを言われたことがある割合は不仲夫婦では円満夫婦に比べてのきなみ高くなり、全体で 1位の「出て行け!/実家に帰る!」は 27.6%、2 位の「あなたの親はダメだ/めんどう・おかしな親だね」は22.4%となった。不仲夫婦のおよそ 4 組に 1組は、これらの NG ワードが登場する舌戦を経験したことがあるようだ。実際に NG ワードの使用がきっかけで、夫婦仲に悪い影響を及ぼしてしまったのかもしれない。
ここまで、夫婦間にありがちな不満のセリフや夫婦関係が終焉に向かいかねないセリフなど、辛辣なセリフが続いたが、口には出さないけれども本当は相手を大切に思っている、というシャイな人も多いかと思う。そこで、パートナー(夫・妻)に対して、思っているけど照れくさくてなかなか言えないセリフについて聞いたところ、最も多かったのは「いつもありがとう/感謝しているよ」で41.7%、2位は「愛している/大好き」で34.9%、3位は「結婚できて良かった/幸せ」で 23.7%、4位は「一緒にいると落ち着く/安心できる」で 16.2%、5位は「あなたしかいない/あなたが一番」で 15.6%となった。
男女別にみると、男性は「いつもありがとう/感謝しているよ」が 47.4%、「愛している/大好き」が 40.8%と、それぞれ女性よりも高くなった。照れくささで感謝や愛情のセリフを飲み込んでしまっている男性は多いようだ。また、女性は「たまには二人でデートしよう・したいね」が 17.2%と、男性(12.8%)よりも高くなっている。夫婦で二人きりの時間を過ごしたい思いがありながらも、自分からデートに誘うのを気恥ずかしく感じている女性は少なくないようだ。普段は照れくさくて気持ちを伝えられていない男性は、ひとつのきっかけとして、パートナーをデートに誘ってみてはいかがだろうか。