
■連載/メンズビューティー通信
一般的に、顔に対して横に入るシワは「幸せジワ」、縦に入るシワは「不幸ジワ」と呼ばれている。確かに、幸せは目尻に宿るとも言われるほどだし、おでこの横ジワも強運の証と称されるほど、横に入るシワには幸せなエピソードが付いて回る。
一方、眉間の深い縦ジワは怒っているように見えるし、斜めではあるが目のクマができるあたりから頬にかけて斜めに入るゴルゴ線(顔のたるみが原因でおこるシワ)はその名のどおりゴルゴ13のような険しい印象を相手に与えてしまう。
春は出会いと始まりの季節。4月から新社会人になる方も、新社会人を受け入れる先輩社会人の方も、怖い印象や険しい印象を与える「横ジワ=不幸ジワ」をケアして、気持ちいい表情でコミュニケーションできる新年度を迎えよう。
シワの原因は“表情筋の衰え”と”表情癖”
人間の年輪と思えば誇らしいものだが、実際のところ、シワが顔にできると一気に見た目が老ける。話したり笑ったりすることで自然と鍛えられていた筋肉は、パソコンやスマートフォンと向き合う時間に比例して増える”無表情の時間”で衰えが加速してしまう。表情筋が衰えると、今まで張っていた皮膚を支えきれずにに”ゆるみ”ができ、そのゆるみに表情の「折り目」がついてしまうというわけだ。試しに今すぐ、目を大きく開けたり、口を大きく開けてみてほしい。その時になんとなく顔に「重さ」や「疲れ」のようなものを感じた場合は要注意だ。
口の周りの“口輪筋”、頬をささえる”頬骨筋”が衰えることでまず目立ってくるのは、口の横のほうれい線。縦ジワにカテゴライズされるほうれい線は、不幸ジワとまではいかないが、見た目年齢がグッと老け込むように見え、どことなく疲れた印象を与えてしまう。
そして、表情癖でつく縦ジワ(=不幸ジワ)の最たるものが眉間のシワだろう。怒ったり、悩んだり、睨んだり…という比較的ネガティブな感情を持った際にしてしまう表情が原因でついてしまうこのシワ。表情癖とは恐ろしいもので、普段から眉間にシワを寄せやすい人は、寝ている間までも眉間にシワを寄せてしまうことが多い。就寝中という、自意識の働いていないところまで悪習慣とも言えるこの表情をしていては普段ケアをしていたとしてもただのイタチごっこになってしまうだろう。ここは地道に「その表情をしない」ということに意識を向ける他ない。
表情癖を意識しながら、保湿ケア&マッサージを
手っ取り早く「不幸ジワ」をケアしたい場合は、美容皮膚科でヒアルロン注射やボトックス注射を打つこともできる。しかし、そこまで深刻な深いシワでなければ、日常のケアで取り戻すことは十分可能。日常的にネガティブな感情が表情に出ないように気を配りながら、意識的に口角を上げ、目をぐるりと一回転。深呼吸をして、顔全体の筋肉に適度な刺激を与えることが大切だ。保湿クリームやリンクル用の美容液等のアイテムを追加してていねいにスキンケアを施し、同時に頭皮マッサージをするとさらに効果的だろう。
花が咲き、緑も芽吹きだすフレッシュな季節に怪訝な顔は似合わない。ぜひ、リンクルケアを意識して、笑う機会、コミュニケーションする機会、肌と向き合う機会を作ってほしい。
文・RYO KANAZAWA(メンズビューティー編集部)