翌日、夜市へ行ったとき、彼女たちはまた、カエルの卵のミルクティーを飲もうというのだ。今回は、きっぱり断らずにはいられなかった。
「もうこれ以上は食べられないよ!」(他に食べるものがなくて、またカエルの卵を食べようというのか? というニュアンスで…)
私の真剣な顔つきに、完全に笑い崩れる二人。そして言われたのはこんな一言だった。
「あれ本物じゃないよ!」
あれれ? そうだったのだ。あの黒い固まりはタピオカで作られたでんぷんの固まりだったのだ。韓国では“タピオカティー”がまだ流行していなかった頃だった。台湾では、このタピオカの固まりを面白半分で『カエルの卵』と呼ぶそうだ。語感も悪いのに、なぜそのように呼んでいるのだろう?
Taipei, Taiwan
[旅の達人情報]
南アメリカが原産地のカサバ(Cassava)。その根っこから得たでんぷんを3~5mmの固まりに作ったのが、あのタピオカのパール(Tapioka Pearl)だ。そしてそれを入れたミルクティーが1980年代に台湾で登場した飲み物、タピオカティーだ。
一方、イギリスの著名な生物学者である、リチャード・ド―キンス(Richard Dawkins)は、“何にでも常に疑問を持つ習慣”を強調した。これは必ずしも特定な分野だけに適用される言葉ではないだろう。
取材・文/劉昊相(YOU HOSANG)
韓国出身。見知らぬ場所や文化を楽しむ、生まれついての旅行家。イギリス在住時に様々なプロジェクトを経験、Panasonicなど多国的企業での海外業務経験を持ち、英語、日本語、韓国語に通じる。旅行 コミュニティー「Club Terranova」を運営。