■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝
久しぶりに、
「こりャあ駄目サウナだな…」
と、つくづく思ってしまうようなサウナに入った。
しかし、その駄目サウナに入ることで、どういうサウナだと人間は気持ちよくなれるのか? というたとが、ものすごくわかった! ようするに反面教師的学習をしたワケだけど、今回はその駄目体験と、そこから見えてくる『いいサウナってなんなんだ?』という話。
以上、わかりやすい前書きでした。
問題の駄目サウナ。もう駄目すぎちゃって文句ばっかになるんで、名前はもちろん、イニシャルによる仮名も書きません。新宿区にあるサウナとだけいっておく。
なにが駄目って、とにかくサウナ室がひどすぎる。温度は100度前後なんだけど、とにかく湿度が低すぎる! いやもう“低い”なんてレベルじゃなくて、乾燥注意報発令中である。
その感触は、サウナ室に入っているというよりも、もはや焚き火に当たっている感覚といってもいい。赤外線のサウナストーブに向いてる肌がただただピリピリと熱いだけ。それでも温度は100度あるんで汗は出てくるけど、なにか体の芯まで温まってこない。
ただ、その時は別になんとも思わなかった。過去に、ここまでとはいかないまでも「焚き火じゃねかよ!!」ってい思っちゃう乾燥サウナは何度も経験したことがある。しかし、そんなサウナ室でも、その後に水風呂に入れば“ある程度の気持ちよさ”は絶対に体感できていたのだ。“最上の気持ちよさ”にはならないまでも、この時も“充分気持ちよかった…”ってな気分でサウナを後にするだろうと思っていた。
ところが今回だけは違った!
いまいちのサウナを出て水風呂に入る。そして驚いた!!
サウナ室が駄目だったのに、なぜか水風呂だけはキンキンに冷えていたのだ。
水温系を見ると15度!! サウナーとしてはかなり“ありがたい”レベルの冷水である。この水風呂に体を沈めた瞬間、
「こりゃあ、サウナはダメだったけどトータル的にはけっこうイイぞ!!」
その時は、そう確信したのだった…。