■研究結果
「DigiFi」No.22付録ヘッドホンアンプは、付録とは思えない音質のバランス駆動ヘッドフォンアンプである。特にバランスに関してはメーカー品でも、首をかしげるような製品があるのにもかかわらず、5500円という値段でキッチリ結果を出している。ケースなど余分なものを省いた結果だが、Olasonicの功績も大きいと思う。ケースがなくても問題ないがシールドがないと思うと精神衛生上良くない。さらにこのヘッドホンアンプはXLRプラグの抜き差しがかなり固い。思わず「ロック機能付きなのに解除ノブがないのはなぜ」と問い合わせてしまうほどプラグを挿したら抜きにくいのだが、使っているうちにほどよい固さになるとのこと。これが裸の基板を持って抜き差しすると端子にダメージを与えそうなのでケースに入れることをオススメする。
あと気になることは、ケースに入れた場合、ボリュームがあるのがヘッドフォン出力側ではなく、入力端子と電源端子側ということだ。私のオススメはRCAライン入力にプリアンプの出力を入れて、ボリュームはプリ側で操作する方法だ。これならヘッドフォン端子をフロントに向けて置けるし、音質的にも有利である。1万円以下で購入できるケースは『NM-5』がある。アルミ製でデザインも渋いが、拡張基板と接続できなくなるのが惜しい。
付録ヘッドホンアンプ+バランス用オペアンプ+ケースでも約1万6000円とハイコスパ。本当のところ音のどうなのと思われる方は、6月10日〜12日まで神田でハイレゾパークと銘打った試聴体験イベントがおこなわれるので訪れてみてはいかがだろう。
以前の「DigiFi」の付録であるDDコンバーターとUSB/DACに接続するとDAC一体型ヘッドフォンアンプにもなる。これが全部入るケースも発売されている
●DigiFiヘッドフォンアンプはバランス駆動の音がいい
●DigiFiヘッドフォンアンプは拡張基板とペアで使いたい
●DigiFiヘッドフォンアンプはケースが高価である
●DigiFiヘッドフォンアンプではオペアンプにこだわれ!
文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!