■J-POPシンガーの楽曲を臨場感あふれる美しい音色で響かせる
実際に『SRS-HG1』と『Xperia Z4』で音楽を聞いてみると、既にBluetoothのワイヤレススピーカーを体験済みの人にとっては別次元と感じさせるほどの高音質を聴かせてくれる。
ハイレゾ音源で用意した宇多田ヒカルの『Automatic』を聴いても、目の前の小さな『SRS-HG1』から鳴らしているのとは思えないほど立体的な空間を生み出し、臨場感ある歌声を響かせる。ディープな沈みとパワフルでパンチの効いた重低音再生も、コンパクトな見た目を超越。三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの『R.Y.U.S.E.I.』を聴いても、高揚感ある楽曲のパワーと共に、ピアノの音色の美しさにハッとするほど。スマホで音楽を聴くとメロディばかり追ってしまうが、ハイレゾで改めて聴くと音源の持つ本来の情報に気付かされる。
『SRS-HG1』はバッテリー内蔵のワイヤレススピーカーなので、部屋の中で自分が音楽を聞きやすい場所に動かせるし、オフィスや屋外にも持ち出せるBluetoothワイヤレススピーカーの利便性も備える。
■iPhoneやPCからでも聴けるの?
さて、XperiaやウォークマンではなくiPhoneではどうなるの? と思う人がいるかもしれないが、残念ながらiPhoneは「LDAC」には対応しない。
ただし、『SRS-HG1』は「LDAC」ほど高音質ではないがiPhoneによるBluetoothで最も高音質な伝送方式である「AAC」もサポートしている。実際の音も聴き比べてみたが、『SRS-HG1』の元のスピーカーの設計が良いこともあり十二分に高音質だった。
『SRS-HG1』はこの他にもマニアックな特徴があり、PCとの間ではWi-Fi接続によるワイヤレス接続して、PC用の音楽再生ソフト『MegiaGo』によるハイレゾ再生にも対応する。他にも実はワイヤレスすら使わずにPCと『SRS-HG1』をUSBケーブルで直結してもハイレゾで音楽を鳴らすことができたりと、実に多機能を秘めている。
一見すると普通のBluetoothスピーカーのようでいて、世界最小サイズのハイレゾ再生と様々な音源再生の機能を秘めた『SRS-HG1』。
ポータブルで持ち出せる小型サイズで高音質の音楽体験にもたらす、ソニーらしさが発揮された期待のオーディオ製品の登場だ。
取材・文/折原 一也 (オーディオビジュアルライター/AV評論家)
PC系版元の編集職を経て2004年、独立。当初はPC雑誌などで主に映像・音楽系の記事を手がけていたが、専門分野をAV機器・デジモノ製品に移しAVライターに転身。現在はオーディオ・ビジュアルを活動のフィールドとしていて大画面テレビ、BDレコーダーを中心としたデジタル機器全般の取材と画質・音質を含めた製品記事、最新テクノロジーのトレンド解説記事を手がけている。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。