とどまることを知らないSUVブーム。各社から新車が続々登場しているが、最近、注目されているのが比較的大きいサイズの本格的な4WD。今回は元祖SUVともいえるアメリカンブランドの2台を乗り比べた。
日本のRV市場はステーションワゴン、1BOX、オフロード4WD、1.5BOXで構成されている。中でもSUVと呼ばれるオフロード4WDは、このところ人気が急上昇。2013年から2014年にかけては前年比60%増の伸びを見せている。このカテゴリーは国産車だけでなく、輸入車も多くの車種を投入しているが、今、最もアツいのが、元祖SUVのアメリカ勢だ。
◎見た目とは違ってスポーティーなSUV
ジープ『レネゲード』は、全長4.2mというコンパクトSUV。パワーユニットは1.4Lターボという小排気量、低燃費志向。このユニットはジープの親会社でもあるフィアット『500X』と共同で開発されたものだが、車体設計などの味つけは、ジープブランドのノウハウが生かされている。直線を生かしたスクウエアなスタイリングが特徴的で、最近のSUVにはない力強さと愛嬌のあるフロントマスクが若い世代の関心を集めている。その人気の高さは、今年8月の発表後、年内の販売予定台数をわずか1か月でクリアしたことからもわかる。
実際にハンドルを握ると1.4Lターボとは思えない、軽快でトルクフルなスタートに驚かされる。0→100km/h加速は、10秒台。これは2Lのスポーツセダンと同レベルだ。
一方、フォード『エクスプローラー』は1990年に初代が登場。現行で5代目となるアメリカンサイズのSUVだ。全長5m超、全幅2mというサイズだが、日本でも人気は高く、日本で発売されているフォード車の中では常にベストセラーとなっている。
特筆すべきは、パワーユニット。今回試乗した『XLTエコブースト』は、4気筒2.3Lターボを搭載。最新のエコエンジンは、1500回転からトルクが盛り上がり、6200回転まで使える。0→100km/hの加速も8秒台と速く、スポーツSUVと呼んでもおかしくない。しかも『エクスプローラー』は3列シートを備える7人乗り。2.3Lのエンジンでも不足はなく乗り心地もよかった。最近では、『アルファード』や『エルグランド』など国産メーカーのLクラスミニバンから乗り換える人も増えているようだが、今回乗ってみて、改めてその人たちの気持ちがわかった。
どちらも足回りがしっかりしていて、運転しやすいという印象が強く残った。ちなみに、両車の駆動方式は前輪だが、4輪を駆動するグレードも用意されている。