■連載/ペットゥモロー通信
ぬりえ作家、蔦谷喜一(つたや・きいち)さんも大の犬好き、猫好きでした
昭和20~30年代に、少女たちが夢中になった「きいちのぬりえ」をご存じですか?
当時、子どもたちが学校帰りに集う駄菓子屋で、ボールやなわとびなどの玩具にまじり、袋の中に入って売られていました。B5サイズよりひとまわり小さなサイズで、ざら紙に印刷されたぬりえが8~12枚入って1セット。
昭和23年頃で一袋5円。これに少女たちが夢中になり、月に平均して100万セット、多い時は160万セットもバカ売れしたのです。
人気の理由は、なんといっても蔦谷喜一(つたや・きいち)さんが描いた少女の愛らしさ、群を抜いたファッションセンスの良さにありました。
カールをきかせたおしゃれなヘアスタイル、ファッション雑誌から抜け出たような装い・・・・そこには、少女たちが「こうなりたい!」「こんな暮らしをおくりたい!」といった願望が、すべて込められていたのです。