ストレスや姿勢の乱れから筋肉が硬くなると緊張が続き発痛物質がたまり、腰痛や肩こりを起こす。筋肉の間には神経や血管が通っており、筋肉の緊張で血流低下や神経の圧迫が起こると手足の冷えやしびれ、生理痛を引き起こす。
こりや冷えを感じる段階で自分で対処しておくことが悪化させないためにも大切になってくる。ストレッチやマッサージ、入浴やお灸、サウナなどセルフケアにはいくつかの方法があるが、有効な方法として低周波治療と温熱治療がある。
低周波治療は微量な電気を流して神経を刺激することで、痛みを抑制する方法。痛みを伝える神経を脊髄でブロックする。また、電気を流すと筋肉が動くのでマッサージ効果が起こり、溜まっていた痛みの物質が筋肉を動かすことで緩む。即効性があるのが利点だが、30分から1時間で戻ってしまい持続効果が少ない。
温熱刺激を与える温熱治療は、心地良い熱さが伝わると脳からオピオイドという物質が出ることで痛みを抑制する。オピオイドはモルヒネとも呼ばれるもので体内に備わっている鎮痛物質。効果を感じるまで時間がかかるので即効性がないが、持続効果は高い。温めることで血流が改善し、痛みを止める物質が血液中に放出され痛みをブロックするので、内臓や自律神経にも影響があり、全身性の作用になりやすいのが特徴。
「低周波は筋肉と脊髄だが、温熱は筋肉と脳に作用点がある。お互いの利点を相乗的に使うことができる、低周波と温熱が合体した治療法があると一番いいのではないかと思う。本来の自分が持っている力で治すので、私たちが目指している痛みを未然に防ぐという観点からも、家庭の医学の範囲でやるとすれば最強のパートナーとなり得る」(伊藤さん)