2026年に入り、SNSを中心に「2026 is the new 2016」という言葉が話題になっている。10年前の2016年を振り返る投稿が広がり、当時の写真やファッション、SNSの雰囲気などが改めて注目されているのだ。
こうした動きはファッションにも及び、SHIBUYA109 lab.が発表した2026年下半期のトレンド予測でも「2016年ファッション」がキーワードのひとつに挙げられた。英字ロゴ入りのトップスやレースを取り入れたアイテム、ジェリー素材のバッグやシューズなど、当時を思わせる要素が新鮮なものとして受け止められている。
では、2016年にはどのようなファッションが流行していたのか。そして、なぜ今になって10年前のスタイルが新鮮に映るのだろうか。改めて2106年ファッションを振り返ってみた。
2016年、原宿ストリートで流行していたファッション
2016年のレディースファッションでは、チョーカーやオフショルダートップスをはじめ、金ボタンやブレード装飾を施したナポレオンジャケットなど、華やかで存在感のあるアイテムが人気を集めた。また、ZARAやH&M、FOREVER 21といった海外発のファストファッションブランドも日本に定着し、手頃な価格で旬のトレンドを楽しむスタイルが広がっていった。
原宿では、WEGOやSPINNSといった国内の若者向けショップが存在感を発揮。ショップスタッフもファッションアイコンとして注目を集め、店頭での着こなしやSNSでの発信を通じて、若者のスタイルに影響を与えていた。2016年秋冬の東京ガールズコレクションでは、WEGOのステージにベロア素材のスカジャンや英字ロゴ入りのビッグシルエットパーカなどが登場し、ストリート感のあるカジュアルな着こなしを披露した。
メンズファッションでは、90年代のストリートやスケータースタイルに加え、ノームコアや韓国ファッションの影響も色濃く見られる。ゆったりとしたトップスや柄物、刺繍入りのスカジャンが取り入れられ、90年代に流行したガチャベルトもリバイバル。靴紐をベルト代わりに使うなど、小物で遊び心を加えたスタイルも、当時の原宿ストリートを特徴づけていた。
ひとつのジャンルでは括れない「2016年ファッション」の特徴
こうして当時のアイテムを並べてみると、懐かしさを覚えるものは多い。しかし、「2016年ファッション」と聞いて、ひとつの明確なスタイルを思い浮かべる人は、そう多くないのではないだろうか。
2016年より少し前の時代を振り返ると、「渋カジ」「裏原系」「お兄系」といった言葉があるように、それぞれのシルエットやアイテム、当時のカルチャーが結びついていた。そのため、ジャンル名を聞くだけでも、ある程度共通したイメージを思い浮かべることができた。
それに比べると、2016年のファッションは、特定のジャンルとしてひとくくりにするのが難しい。チョーカーやオフショルダー、スカジャン、ガチャベルトなど、当時を象徴するアイテムはあるものの、それらがひとつのスタイルとしてまとまっていたわけではない。
だからこそ、今回のリバイバルは、特定のファッションジャンルがそのまま復活したというよりも、当時のアイテムや色使い、着こなしの雰囲気が、それぞれの感覚で選び取られ、再び取り入れられている動きなのではないだろうか。
SNSの変化も影響? 10年前のファッションが新鮮に映る背景
この「2026 is the new 2016」という動きは、ファッションだけにとどまらない。InstagramやTikTokでは、2016年当時の写真や動画を掘り起こし、現在の自分と比較したり、当時の思い出を振り返ったりする投稿が広がっている。
興味深いのは、当時のInstagramの雰囲気そのものも再評価されていることだ。現在のSNSでは、写真の見せ方やアカウント全体の世界観を整えた投稿も多い。
しかし、2016年頃はInstagramが浸透し始めたこともあって、まだ友人との日常や何気ない出来事を、フィルターをかけた写真とともに気軽に投稿するスタイルが一般的だった。そうした飾らない雰囲気が、現在の洗練されたSNSに慣れた人たちには新鮮に映っているのかもしれない。
また、2016年をどのように受け止めるかは、世代によっても異なる。SHIBUYA109 lab.が2026年下半期の注目トレンドとして「2016ファッション」を取り上げていることからも、若年層の間で関心が高まっていることがうかがえる。
当時をリアルタイムで楽しんでいた世代にとっては、懐かしい記憶と結びつき、当時はまだ幼かった世代にとっては、少し前の時代のファッションが新しいスタイルとして映る。同じアイテムでも、見る人の年齢や経験によって受け止め方が変わるのも興味深いところだろう。
2016年から10年が経ち、当時は特別なものではなかったファッションやSNSの風景も、今ではひとつの時代を象徴するものになりつつある。かつての流行をそのまま再現するのではなく、当時の要素を今の感覚で選び取り、自分なりのスタイルに取り入れる。そうした楽しみ方こそ、今回の2016年リバイバルを象徴している。
文/Tajimax




DIME MAGAZINE

















