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選挙資金の公費負担、有権者が望む使い道は?

2026.11.06

選挙といえば候補者の名前を連呼する選挙カーや掲示板のポスターが付き物だが、そういった選挙運動にかかる費用の一部には公費が使われており、その使い方が気になる有権者は多いはずだ。ウェブブランディングやSEOなどを手掛けるNEXER Groupは、選挙カー専門レンタル『W1N選挙カー』と共同で全国の男女に『選挙運動にかかるお金』に関する調査を実施して結果を公開した。

34.4%が選挙カーやポスターの費用を「税金(公費)」負担と回答

選挙カーやポスターの費用を主に誰が負担していると思うかについては、最多回答は「税金(公費)」(34.4%)だった。それに「候補者本人」(29.8%)、「わからない」(22.0%)、「候補者が所属する政党」(13.8%)が続いた。「税金でまかなわれている」と認識していた人は、およそ3人にひとりで、候補者本人や政党が負担していると思っている人のほうが多数派だった。

4割が公費負担制度の負担額を減らすべきと回答

選挙カーの燃料代・レンタル代やポスター製作費の一部は「公費負担制度」によって税金でまかなわれているが、どう感じるかでは「負担額を減らすべきだと思う」が40.2%で最多だった。それに「制度を知らなかったので驚いた」(31.8%)、「妥当な制度だと思う」(17.8%)、「もっと手厚く支援してよいと思う」(4.2%)、「そのほか」(6.0%)が続いた。それぞれの回答理由については、次のような意見があった。

・「負担額を減らすべきだと思う」と回答した人
SNSなど足で稼ぐ以外にもできることがあるから(20代・女性)
今は国民の生活も苦しくなっているし、なるべく負担は減らした方が良いと思う(30代・女性)
こんなにも税金が使われるのに、政治家はなんですぐ選挙選挙いうのか?(30代・女性)

・「制度を知らなかったので驚いた」と回答した人
税金で使われているのがムカつく(20代・男性)
ある程度の獲得票があった人は税金で賄われるのでは(20代・男性)
あんなものに我々の払った税金が使われていると思うといたたまれない(30代・女性)

・「妥当な制度だと思う」と回答した人
私費ではお金を負担できない人が立候補できなくなってしまうので良い制度だと思う(30代・女性)
個人の経済格差に左右されないので(30代・女性)

公費負担制度には、税金の使われ方への疑問や負担を抑えてほしいという意見もあるが、候補者の経済力に左右されずに立候補できるために必要という意見もあった。

6割以上が税金負担なら「5万円未満」が妥当と回答

税金による選挙カーの費用負担について1台あたりの妥当な金額は、「5万円未満」が63.6%で最多だった。それに「5万円~10万円未満」(20.8%)、「10万円~20万円未満」(9.6%)、「50万円以上」(3.4%)、「20万円~50万円未満」(2.6%)が続いた。金額の理由では、次のようなコメントがあった。

・「5万円未満」と回答した人
あまり税金を使ってほしくないから(20代・男性)
我々の税金をそこに使う理由が不明(20代・男性)
そもそも車は必須ではないから(30代・女性)

・「5万円~10万円未満」と回答した人
あまり額が多いと国民に負担がかかるから(30代・女性)
色々とポスター作りや装飾などにもある程度お金がかかるだろうから(30代・女性)
高すぎるのはもったいないと思うので(40代・女性)

・「10万円~20万円未満」と回答した人
選挙期間中レンタカーを借りるとするとどれぐらいかなと思ったから(40代・女性)
看板やマイクの設置などを考えるとこのくらいの金額であれば負担が軽くなると思う(50代・男性)
レンタカーの相場から(50代・男性)

税金による負担は、やはりできるだけ抑えてほしいという意識は多かったが、実際のレンタカー代や選挙活動に必要な費用を考慮して金額を選んだ人もいたようだ。

お金をかけてほしい1位は「政策を伝える印刷物」

選挙運動にお金をかけるとしたら「ここには使ってほしい」と思うものを質問すると、「政策をわかりやすく伝える印刷物(マニフェスト・チラシなど)」が45.0%でトップだった。それに「SNSや動画での情報発信」(22.0%)と「街頭演説・対話集会の回数を増やすこと」(17.8%)が続いた。それぞれの回答理由についての意見は次の通り。

・「政策をわかりやすく伝える印刷物(マニフェスト・チラシなど)」を選んだ人
どういう政策なのか知るため(20代・女性)
選挙や政党に関するくわしい情報は有権者にとって絶対に必要だから(30代・女性)
政策を広めるのは良い(30代・女性)

・「SNSや動画での情報発信」を選んだ人
SNSのほうがみんな見る(20代・女性)
SNSの発信は若い世代も見るのでいいと思う(30代・男性)
今後はSNSをどううまく使うかにかかっていると思います(30代・男性)

・「街頭演説・対話集会の回数を増やすこと」を選んだ方
意味のあるものに税金を使ってほしいから(20代・男性)
ちゃんと国民と触れ合うべきである(30代・女性)
直接考えを聞きたいから(40代・女性)

選挙運動にかける費用に対しては、候補者の名前を広めることよりも政策や考えを知るための情報発信に使ってほしいというコメントが多かった。政策をわかりやすく伝える印刷物への期待は高いようだ。

お金をかけなくてよいもの1位は「有名人・タレントを呼ぶイベント」

選挙運動でお金をかけなくてよいと思うものでは、「有名人・タレントを呼ぶイベント」が63.2%で最多だった。それに「選挙カー・拡声器による連呼(名前の連呼など)」(50.6%)、「大量の選挙ポスター」(41.6%)が続いた。回答理由についての意見は次の通り。

・「有名人・タレントを呼ぶイベント」を選んだ人
タレントを起用する必要はない。自分の力でやれ(30代・女性)
露骨な人集めだなと(30代・女性)
今時、有名人の力を借りようなんて古臭い(40代・男性)

・「選挙カー・拡声器による連呼(名前の連呼など)」を選んだ人
うるさいだけで名前しか覚えられない(30代・女性)
絶対に必要なものではないし、かえって迷惑を被る場合があるから(赤ちゃんの昼寝中、やっと寝付いたと思ったら選挙カーの爆音で起こされるなど)(30代・女性)
候補者連呼にお金を掛けなくてもいいと思ったから(40代・男性)

・「大量の選挙ポスター」を選んだ人
大量の選挙ポスターやビラなどは 配ってもあまり意味がないと思うから(30代・女性)
紙の無駄遣いだから(30代・男性)
選挙ポスターは見る人ほとんどいないと思う。お金の無駄(40代・女性)

有名人を呼ぶイベントや名前を連呼する選挙カーや大量のポスターなど、候補者の政策や考えを知ることに直接つながりにくいものに対する支出には厳しい意見が多かった。選挙運動にかける費用は、有権者に必要な情報を届けることを重視する姿勢が大切といえる。

有権者は政策を伝えることに税金を使ってほしい

選挙運動でお金をかけてほしいものでは「政策をわかりやすく伝える印刷物」や「SNSや動画での情報発信」が上位となった。お金をかけなくてよいものでは「有名人・タレントを呼ぶイベント」がもっとも多く、「選挙カー・拡声器による連呼」や「大量の選挙ポスター」に対しても厳しかった。

出馬する側は限られた資金で選挙活動を行うため、公費負担制度に助けられている面はある。公費負担制度は挑戦を支える大切な仕組みだが、税金なので有権者に納得感のある使い方は求められる。選挙運動にかかるお金は、政策や候補者の考えが「きちんと伝わること」を重視する有権者が多い印象だったので、候補者はそこを軸に選挙戦略を考えてほしい。

『選挙運動にかかるお金に関するアンケート』調査概要

調査対象者:全国の男女
調査期間:2026年9月1日~2026年9月7日
有効回答:500サンプル
調査手法:インターネットでのアンケート
質問内容:
質問1:選挙のときに走る「選挙カー」や掲示板に貼られる「選挙ポスター」。これらの費用は主に誰が負担していると思いますか。
質問2:実際には選挙カーの燃料代・レンタル代やポスター製作費の一部は「公費負担制度」により税金でまかなわれています。このことを知って率直にどう感じましたか。
質問3:そう感じた理由を具体的にお聞かせください。
質問4:税金で選挙カーの費用を負担するとしたら1台あたりいくらまでが妥当だと思いますか。
質問5:その金額が妥当だと考える理由を教えてください。
質問6:選挙運動にお金をかけるとしたら有権者として「ここには使ってほしい」と思うものはどれですか。当てはまるものをすべてお選びください。(複数回答可)
質問7:そう思う理由を教えてください。
質問8:逆に「ここにはお金をかけなくてよい」と思うものはありますか。当てはまるものをすべてお選びください。(複数回答可)
質問9:そう思う理由を教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため合計が100%にならない場合があります。
出典:NEXER Groupと選挙カー専門レンタル『W1N選挙カー』による調査

「W1N選挙カー」

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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