シュワッチ! 言わずと知れたこの掛け声は、そう、ウルトラマン!! 60周年を迎えた今も、なぜあの〝光〟は俺たちの胸を熱く焦がすのか? 各界の識者の熱い視点、現場を支える裏方たちの血の通ったものづくり魂、そしてスペシウム光線のごとく心を射抜くマーケティングの真髄を徹底取材! 時代を超えたヒットの軌跡に触れた時、あの日の胸の高鳴りと、現代(いま)を戦う大人の覚悟が響き合い、明日へ立ち向かう勇気が熱く呼び覚まされるはず……。これは厳しいビジネスシーンに立ち向かう〝君〟に捧げるウルトラマン大特集だ。ヘアッ!
「ソフビ? 懐かしいな。子供の頃よく遊んだ覚えが……」という方は多いと思うが、ノスタルジックな玩具と決めつけるのは早い! 実は時代によってその再現性、ディテールの細やかさ、そして製法も進化を遂げているのだ。ウルトラマンのソフビをもう40年以上作りつづけるバンダイにソフビ最前線を聞く。
ウルトラ兄弟や怪獣軍団がファッションアイテムに!ウルトラマンシリーズ60周年を記念したDIME限定コレクション発売中
小学館のビジネストレンドメディア『DIME』は、2026年12月号の「ウルトラマン」特集をきっかけに、ウルトラマンとのスペシャルコラボレーションアイテムを開発。…
ソフビ担当者は1996年生まれ「ティガと同じ年」の若手が牽引!
バンダイの〝熱血ソフビマン〟こと渡邉航さんは言う。
「バンダイでは1980年代から現在の定番ラインであるウルトラヒーローシリーズやウルトラ怪獣シリーズの礎となるソフビ商材の販売を始めました。当時、円谷プロダクションと協力し、地上波でウルトラシリーズの再放送を通じて作品への再喚起を行ない、ソフビもその一翼を担うアイテムでした」
現在、ウルトラ怪獣は260種類以上、ウルトラヒーローは150種類以上と、ラインナップは計400種類を超える。
「一度廃版になった商材でも、新たに原型を起こしてラインナップしなおすこともよくあります。例えば今年はウルトラマンシリーズ60周年という節目なので、昭和怪獣を手厚く復活させています」
ターゲット層も広がっている。
「本来のメインユーザーである子供たちはもちろん、平成世代の30代や、昭和ウルトラ世代の50代の購入も厚いです」
ベース価格は税込み990円だが、造形や仕様によって価格帯も幅広い。最近の注目ポイントが、従来のソフビ(抜き型)製法とインジェクション(射出)製法からなるハイブリッド構造だ。
「通常のソフビ成型では金型から抜く都合上、素立ちが主流で、腕を急角度に曲げるポーズなどはできませんでした。しかし、部分的にインジェクション製法を用いることで、劇中の必殺技ポーズやシーン再現を可能にしています」
腕の金型を起こすためにソフビ怪獣1体分のコストを要することもあるが、再現度を高めるための挑戦に限りはない。
また、製造のこだわりは原型作りにも及ぶ。「怪獣などの原型は手作業で蝋を削って作りますが、金型を起こす工程で溶けてなくなるため、一つとして同じ原型は残りません。ですから作り直しがきかない、一発勝負の工程なのです」
ちなみに、最も売れている長寿商品は初代バルタン星人とウルトラマンだという。
「特別な宣伝をしなくても売れるという優等生です。さらに最近では『ウルトラコスモレコード』を施し音声が聞ける仕掛けや、当時の商品を3Dスキャンして復刻する試みなど、多くのユーザーに喜んでいただけるよう取り組んでいます。自分自身、ウルトラマンが好きでバンダイに入りました。ソフビは今でもチャレンジ精神を掻き立てられる商材です。周囲からは〝渡邉、ソフビやりすぎ!〟と笑われることもありますが、これからもソフビを進化させつづけたいです!」
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【ウンチク其の壱】なぜ直立が多い? 不可能ポーズ

これは型から抜き取る製造工程上、ポーズをとった腕や足などが離型できず量産できないため。ポーズのついたパーツは異なる成型方法を組み合わせることで上のような「スペシウム光線」も実現できたというわけだ。
【ウンチク其の弐】一体ずつ手作業だから全部、違う!

ピラミッドで悠久の眠りについていた石像3体がソフビ化されているが、このソフビ全体に施されるよごし塗装はすべて手作業! 細かく見ればすべての商品が一つずつ違う、となるのだ。
【ウンチク其の参】意外? やっぱり? 永遠の定番

バンダイのウルトラソフビ史の永遠の定番は? と尋ねると「絶対的にこの2体です!」と渡邉さん。2体とはウルトラマンとバルタン星人。特別に宣伝をしなくても毎年数万体が売れるという超ロングセラーがこの定番ペアなのだ。
要チェック!『ウルトラマンテオ』はじめの一歩!

放送中の『ウルトラマンテオ』で活躍する主役3体がいちはやくソフビで登場! 右から『テオ』の重要キャラクターであるプチ怪獣の「プッチー」(990円)。中央が主人公「ウルトラマンテオ」(990円)。左は身長60mの「巨大化プッチー」だ(1100円)。
パッケージごと復刻だ!

ウルトラマンシリーズ60周年を記念して1991年に販売されたソフビ「ウルトラマン」と、今年30周年で1996年に販売された「ウルトラマンティガ」を、当時の商品を極力再現した造形とパッケージで復刻。各2750円。
これが〝渡邉的〟自慢作です!

『悪質宇宙人メフィラス星人』
取材中、渡邉さんに「自信作は?」と尋ねた際、即答だったのがこの「メフィラス星人」。造形チームと共に立体的で肉感的なフォルムを求め、従来のソフビよりも細密な造形と塗装を施した「渡邉的自慢作」だ!

バンダイ トイ事業部 ソフビ担当
渡邉 航さん
熱狂的な『ウルトラセブン』マニアである父の薫陶を受け就職先はバンダイを志望。現在はウルトラマンシリーズ、ガンダムシリーズなどの企画にも参加するソフビのホープ。
取材・文・編集/前田賢紀 撮影/小倉雄一郎
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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