シュワッチ! 言わずと知れたこの掛け声は、そう、ウルトラマン!! 60周年を迎えた今も、なぜあの〝光〟は俺たちの胸を熱く焦がすのか? 各界の識者の熱い視点、現場を支える裏方たちの血の通ったものづくり魂、そしてスペシウム光線のごとく心を射抜くマーケティングの真髄を徹底取材! 時代を超えたヒットの軌跡に触れた時、あの日の胸の高鳴りと、現代(いま)を戦う大人の覚悟が響き合い、明日へ立ち向かう勇気が熱く呼び覚まされるはず……。これは厳しいビジネスシーンに立ち向かう〝君〟に捧げるウルトラマン大特集だ。ヘアッ!

ウルトラマンと子どもの繋がりを50年間、見守り続けてきた雑誌『てれびくん』。長年この雑誌に携わってきたスタッフだからこそ明かせる秘蔵エピソードを大公開!

ライター 大石真司さん(左)
ウルトラマン関連の書籍をはじめ、特撮に関する数々の執筆に携わる。小学館の『超全集』シリーズでは『ウルトラマンZ完全超全集』を手がけている。
写真家 川上裕生さん(中央)
46年のキャリアを持つ写真家。『てれびくん』の特撮ヒーロー撮影を手がける。『ウルトラマンX超全集』、電子写真集『特写魂』シリーズほか作品多数。
『てれびくん』編集長 石井崇規さん(右)
長年にわたり同誌の編集に携わり、特撮ヒーローの魅力を子どもたちに届けてきた。読者の関心や暮らしの変化を捉え、誌面や付録の企画に取り組む。
DIME最新号は60周年を迎えた「ウルトラマンシリーズ」を40ページで大特集、スペシャルな付録つき!!
エンタメの原点にして最先端。 今月のDIMEは「ウルトラマンシリーズ」60周年記念の大特集。円谷プロの協力のもと、制作の舞台裏から世界での躍進の秘密、企業コラボ…
てれびくんとは?

1976年創刊の小学館の子ども向け雑誌。特撮ヒーローを中心に、アニメや玩具の情報、迫力ある写真、付録で子どもたちを楽しませている
カッコよく撮るために〝ギリギリ〟を狙う
石井編集長(以下、石井) 弊誌(小学館『てれびくん』1976年創刊)でも、長くウルトラマンを撮っていただいている川上さんと、ウルトラマンとの出会いがライターになるきっかけとなった大石さん。まずはお2人の、最も思い出深いウルトラマンについて、伺ってもよろしいでしょうか。
川上裕生さん(以下、川上) 私は『ウルトラマン80』(1980年)ですね。実写ウルトラマンの6年ぶりのテレビ放映作品ということもあるし、円谷プロの撮影現場へ直接入るようになったのもこの頃です。当時は35歳で若くもあった。
大石真司さん(以下、大石) 私はやはり初代『ウルトラマン』です。私は1966年生まれだから、ウルトラマンシリーズの放送と同じく60周年。後にライターとして、怪獣図鑑などを作ることになるんですけど、その原点に初代『ウルトラマン』がある。石井さんは?
石井 僕はお2人よりは新しいんですけど、編集者として関わった『ウルトラマンZ』(2020年)です。コロナ禍の暗い時期に放映が始まった作品ですが、隊員たちも主人公のナツカワハルキも明るく元気で、見ている人を励ましてくれるウルトラマンでした。ウルトラマンの魅力は様々あるのですが、それを引き出すために、川上さんが心がけていることは?
川上 まずは口元をきれいに撮ることを意識しています。口元はどのウルトラマンもあまり違いがないと思われがちだけど、実はここにこそ、それぞれの魅力が凝縮されていると、私は思っているんですよね。あとは低い位置からあおり気味に撮るとウルトラマンの大きさが表現できるので、そうしたことも考えます。
大石 ただ、スペシウム光線のポーズの時に、下からあおると口元が隠れてしまうんですよね?
川上 そんな時は少し腕の角度を変えてもらったりもする。でもあまりやりすぎると、規定のポーズから外れてNGカットになってしまう。様々な状況を見ながら、ギリギリを狙う毎日ですね。
石井 ウルトラマンの撮影現場で身につけた技術が、その後の仕事に活かされるということは?
川上 おおいにあります。現場には火薬を使って爆発を表現する専門家や、操演といって、ミニチュアやメカを扱う専門家たちがいます。毎日のように通っているとそうした人たちと仲よくなる。いろいろと教えてもらいました。それが小学館でいうと例えば『コロコロコミック』でミニ四駆やベイブレードを撮る時に役立つわけです。担当者から、ミニ四駆が疾走している表現として火花を写し込むことはできないか、などのオーダーがあれば、円谷プロで学んだ技術を使った。あとは、ベイブレードの回転軸がぶれてきれいに撮れない時には、円谷プロの操演のスタッフに無理を言って特別な軸を作ってもらったりね(笑)。
大石 川上さんは、そういうことができるくらい、現場のスタッフに信頼されていたということでもありますね。
ひとりのヒーローとしてとにかく格好よくを撮りたい
石井 ウルトラマンの設定も時代に合わせて変わってきています。
大石 現在放映中の『ウルトラマンテオ』は、故郷の星では民間人という設定です。闘いに慣れていないところから始まって、成長していく。地球では大学生だし、より等身大のウルトラマン像が表現されていますね。
石井 時代の変化はあっても、ウルトラマンの人気は、今も昔も変わりません。かっこよさの原点は、どこにあるとお考えですか。
大石 円谷作品の歴史でいうと、ウルトラマンの前には、『ウルトラQ』(1966年)という特撮作品がありました。ウルトラマンは出てきません。日常を揺るがす怪現象を描いた作品です。生物が巨大化したり、宇宙から怪獣がやってきたり。これが大人気となりました。つまり、ウルトラマンより先に怪獣の人気があったわけです。そのすぐ後にウルトラマンが始まった。ウルトラマンはもちろん魅力的なのですが、怪獣たちの魅力がそれを支えている。そんな構造があると、私は考えています。川上さんはいかがですか。
川上 私は、そこまで考えていたわけではないんです。イチカメラマンとして、ただ格好いい写真を撮りたい。ウルトラマンではなく、“ひとりの人間として対峙する”と言えばいいのかな。どうすればこのヒーローの魅力を引き出すことができるのか、そこをよく考えてレンズを向けています。
石井 これからもウルトラマンを撮り続けますか。
川上 依頼が来る限りはね。ただ、年も年だから体力が続くかという問題はあります(苦笑)。
川上さんの写真は「顔」にこだわる
筋肉質なスタイルが特徴的なウルトラマンブレーザー。川上さんは「スーツではなく、一人の人として撮る」という。目の光や口元の見え方にこだわり、ヒーローの格好よさを引き出す。

撮影/川上裕生
放送がなくても『ウルトラマン』を載せつづける
『ウルトラマン80』終了後、テレビシリーズがない時期に『てれびくん』が円谷プロと共に展開した企画『アンドロ超戦士』。漫画連載やスーツを使ったグラビアから人気を広げた。

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取材・文/末並俊司 撮影/藤岡雅樹 編集/千葉康永
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取材・文/竹村元一郎 編集/千葉康永 撮影/須田卓馬(サムネイル画像)
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